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2013/11/05
自社株の相続税対策、持株会社の設立はリスクが高すぎる

先日、相続税対策のご相談があったお客様にお会いしてきました。
お客様は上場企業の創業家で、これまで相続税対策をしたことがなく、初めて自社株の相続税対策を検討されているとのことでした。
銀行に自社株の相続税対策を相談したものの、銀行の提案していることが創業家にとってプラスになるとは思えず、誰に相談してよいのか困っていたそうです。

そんなとき、税理士長嶋のホームページをご覧になり、お会いすることになりました。

 

【自社株対策に持株会社を設立する】
銀行からお客様に提案があったのは、自社株対策に持株会社を設立するというものでした。
持株会社の設立は、銀行が自社株対策を提案するときに必ず出てくる定番の方法です。
その理由は、自社株の買い取り資金を融資(ローン)したいためです。

持株会社を設立するメリットとして、銀行から次のような説明があったそうです。

「個人所有よりも法人所有のほうが自社株の評価が下がる」

お客様は、具体的にどのような理由で個人所有よりも法人所有のほうが有利なのか、ご理解をされていませんでした。
むしろ、持株会社を設立することでデメリットのほうが大きいのではないかとお考えでした。

 

【自社株対策に持株会社を設立することのデメリット】
お客様が持株会社を設立することのデメリットとして感じられたのは、銀行ローンでした。
そもそも、ローンを払うことができるのかという問題です。

お客様が所有する自社株の価値は100億円を超えています。
つまり、銀行から最低でも100億円を借りて自社株を買い取るということになります。

例えば100億円を借りたとして、金利が1%だったとすると、利息だけで年間1億円です。
利息にプラスして元本返済ですので、返済原資をどうするのか?という問題です。
お客様は銀行からのローン返済計画をお聞きになったそうですが「返済することそのものに無理がある」と悟ったそうです。

 

【自社株対策に持株会社を設立してもメリットが小さすぎる】
お客様のお気持ちの中では、既に答えが決まっていました。
ただ、その答えについて、背中を押してもらいたかったというのが本音だったのだと思います。

お客様の答えとは「自社株を売却し現金化する」ことであり、お客様の本音は次のようなものでした。
・持株会社を設立して銀行から100億円を超えるローンを受けるといった大掛かりなことをする割には、メリットが小さすぎる。
・もし、ローンを受けて完済したとしても、次の子供・孫の世代も同じように銀行ローンを受けるのか?
・会社は成長していくことが前提であるため、子供・孫世代が銀行ローンするときには100億円ではすまないだろう。
・自社株を市場で売却し現金化しておけば、その現金で相続税が払えるため、それが一番シンプルなのではないか。

税理士長嶋からお客様へ次のようにお伝えしました。
・お客様が懸念されていることは、会社経営者の多くがそのように理解されています。
・自社株対策に持株会社はリスクの高さに比べてメリットが小さすぎます。
・もっと他に根本的に解決できる相続税対策を検討されてはいかがでしょうか。
・もし、自社株を売却すれば現金が手許に入ってきますが、その現金を使って効果的な相続税対策をすることも可能です。

 

【最も不幸なのは銀行の都合で振り回されるお客様】
銀行や証券会社などの金融機関は、融資をする・仕組債を売る・生命保険を売ることでご飯を食べています。
文字通り「金融商品」を販売(セールス)するのが仕事です。
そのため、銀行が売れる商品を使った相続税対策しか提案しません。

銀行はお客様から「自社株を市場で売却しようと考えているがどう思うか?」と相談されたら、止めに入ります。
その理由は、そんなことをされては銀行の仕事にならないためです。

ところが、自社株売却を止めに入った結果の提案が、持株会社という意味のない残念なものしか出てこない。
最も不幸なのは、銀行の都合で振り回されるお客様です。

 

【自社株対策参考ブログ】
・自社株の相続税対策に限界を感じていませんか?

・自社株の相続税対策に株価引下げが本当に効果があるのか?

・自社株の相続税対策に会社分割をしてはいけない会社がある

・自社株の相続税対策に生前贈与は効果があるのか?

・自社株の相続税対策に持株会社は効果があるのか?

・自社株の相続税対策としての自社株買いにデメリットはないのか?


 

【相続税対策参考ブログ】
・相続税対策に持株会社を活用することに限界を感じた(2016/05/18)

・会社経営者の相続税対策が困難を極める3つの理由(2016/04/04)

・自社株の相続税対策に一般社団法人を活用する危険性(2016/01/17)

・自社株の相続税対策、株価が高すぎて身動きが取れない(2015/07/07)

・自社株の相続税対策に相続時精算課税は意味がない(2015/04/14)

・自社株の相続税対策に海外持株会社は効果があるのか?(2014/12/16)

・ファーストクラスの相続税対策が必要な会社創業家(2014/10/15)

・自社株の相続税対策に行き詰まり会社は解体される(2014/10/03)

・監査法人から提案された相続税対策に海外移住は不安(2014/07/19)

・自社株の相続税対策と創業家の財産管理(2014/05/17)

・相続税対策にもファーストクラスとエコノミークラスがある(2013/08/20)

・自社株の相続税対策、自社株買取りは単なる問題の先送り(2013/06/15)

・相続税対策を監査法人に相談したが解決できない(2013/04/26)


・相続税対策と資産管理に悩む上場企業経営者(2012/08/19)

・自社株の相続税対策に行き詰まり会社の売却も検討(2012/06/18)

・自社株の相続税対策、会社分割は意味がない(2012/06/01)

・相続税対策に持株会社は意味がない(2012/05/23)

・相続税対策としての自社株対策はどのようにするべきか?(2012/04/13)

 

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