先日、相続税対策のご相談があったお客様にお会いしてきました。 お客様は会社経営をされており、自社株の相続税対策に悩まれていました。 会社経営者という立場から相続税対策を考えた場合に、その困難さが露呈され、相続税対策に行き詰まりを感じたそうです。 会社の顧問税理士さんや銀行に自社株の相続税対策を相談されたそうですが、お客様が満足するような助言を得られなかったそうです。 自社株の相続税対策について八方塞がりの状況であることをお客様が実感されていたときに、税理士長嶋のホームページをご覧になりご連絡をいただきました。 【会社経営者の自社株対策は非常に困難であることを悟った】 お客様から詳しいお話を伺うと次のようなことでした。 ・お客様が会社を創業されて40年ほどになる ・会社を長男に引き継ぐことにしたが、自社株の対策が問題となっている ・会社経営者の自社株対策は非常に困難であることを悟った ・従業員の雇用を守るために利益出すことで会社を大きくしてきた ・会社が大きくなると自社株の株価も上昇することになる ・結果として、会社創業家の相続税を増やすことにもなる お客様が税理士長嶋に真っ先に質問されたことは次のことでした。 「自社株の株価が上がれば創業家の相続税が増える、これは致し方ないことなのでしょうか?」 【会社経営者の相続税対策が困難を極める3つの理由】 私どもが会社経営者から自社株対策のご相談をお受けする際には、上記のような質問をいただくことがほとんどです。 この質問に対しては「致し方ない」とお答えするしかありません。 また、この質問は会社経営者の相続税対策の難しさをとてもシンプルに表しています。 そこで、私どもでは会社経営者の相続税対策が困難を極める3つの理由をいつもお話するようにしています。 (1)会社経営者は2つの顔を持つこと (2)会社の繁栄あっての創業家であること (3)会社は公的な器であること 自社株対策を検討する際には、まず会社経営者が置かれている立場を理解することが必要だと考えます。 【会社の業績や財務内容を悪化させる自社株対策に疑問】 銀行などから提案される一般的な自社株対策は、大きく次の2つに分類されます。 (1)会社から現金を流出させる (2)会社あるいは創業家に借金をさせる いずれも自社株の株価を引下げることを目的とすることがほとんどですが、まず自社株の株価を引下げる意味を理解しなければなりません。 自社株の株価が高い=会社の業績・財務内容が良好であることを意味します。 (1)のように会社から現金を流出させれば会社の財務内容が悪化します。 (2)のように借金をすれば、同じく会社や創業家の財務内容が悪化します。 これらの結果として、株価が下がるのは当たり前のことです。 【自社株対策をご相談されるお客様】 私どもに自社株対策をご相談されるお客様は、主に次のような方です。 ・会社の業績や財務内容を悪化させる自社株対策に疑問を感じている ・銀行や顧問税理士に相談しても解決できない ・自社株対策を実行したものの、相続税を払えない状況は変えられなかった ・自社株に対する課題を根本的に解決したい 会社経営者の相続税対策について、私どもの考え方について「自社株の相続税対策に限界を感じていませんか?」にてご紹介をしています。 【相続税対策参考ブログ】 ・自社株の相続税対策、役員報酬の増額は資金効率が悪すぎる(2016/12/07) ・相続税対策に持株会社を活用することに限界を感じた(2016/05/18) ・自社株の相続税対策に一般社団法人を活用する危険性(2016/01/17) ・自社株の相続税対策、株価が高すぎて身動きが取れない(2015/07/07) ・自社株の相続税対策と海外事業における資金調達(2015/06/26) ・自社株の相続税対策に相続時精算課税は意味がない(2015/04/14) ・自社株の相続税対策に海外持株会社は効果があるのか?(2014/12/16) ・自社株の相続税対策、持株会社の設立はリスクが高すぎる(2013/11/05) ・相続税対策を監査法人に相談したが解決できない(2013/04/26) ・相続税対策に持株会社は意味がない(2012/05/23)