先日、相続税対策のご相談があったお客様にお会いしてきました。 お客様は会社経営をされており、自社株対策を検討したいとのことでした。 これに加えて、財産管理のアドバイスも必要とのことでした。 お客様が経営する会社の顧問税理士さんからは相続税対策や財産管理のアドバイスがなく、ご自身でもどうしてよいかわからなかったそうです。 そんなとき、税理士長嶋のホームページをご覧になりご連絡をいただきました。 【自社株の生前贈与を続けたところで1000年たっても贈与は終わらない】 お客様は会社の創業者で、そろそろ長男に事業承継をしたいとお考えでした。 自社株対策を顧問税理士さんに相談したところ、贈与税の非課税枠(110万円)の範囲内で生前贈与をしていくことになったそうで、自社株の生前贈与が5年前から始まりました。 ところが、お客様が会社を創業されたのは40年前であるため、株価は相当高額になっており、このまま生前贈与を続けたところで1000年たっても贈与は終わらない計画でした。 先の見えない対策をこのまま続けても意味がないと思いながらも、誰に相談して良いのかわからず、悩み続けてきたとのこと。 相続税対策はそれなりの規模を経験している税理士にお願いするのが最善であると判断されたそうです。 【創業家の財産を管理している人間がいない】 お客様に財産の管理の状況について質問したところ、過去に次のようなことをされてきたそうです。 (1)所得税対策の一環として、お客様個人が所有していた不動産を会社に売却した (2)お客様が奥様に資金を貸し付けて、奥様名義で不動産を購入した (3)お客様が長男に資金を貸し付けて、長男名義で自社ビルを購入し、法人に貸し付けている その結果、次のような問題点を抱えることになったようです。 (1)お客様と親族、お客様と会社との間で資金の貸し借りが多額になり、管理しきれなくなった (2)お客様ファミリーが所有すべき財産と、会社が事業用として所有すべき財産の区別ができなくなっている (3)所得税の節税や法人税の節税のために、行き当たりばったりの対応をしたが、結果的にそれほど節税効果が上がっているとは感じない (4)顧問税理士も含めて、創業家の財産を管理している人間がいない お客様からすれば「会社=自分の財布」であるため、創業家の財産と会社の事業用の財産が混在することは当たり前という気持ちも十分に理解できます。 しかしながら、お客様の会社の規模からすると、混在していることが適切であるとは思えませんでした。 結果、上記4つの問題点を抱えることになったのも事実です。 【相続税対策の出発点は財産管理から】 お客様のお話を踏まえて、税理士長嶋から次のようなお話をさせていただきました。 ・相続税対策と財産管理は別のものではないこと ・財産管理を整理することで、結果的に相続税対策につながるということ ・財産管理をする方法として、創業家の財産を管理する法人があっても良いくらいの規模であること お客様と顧問税理士さんとの付き合いは創業当時からだそうです。 創業当時は記帳代行や法人税の申告だけでよかったのですが、ここまで会社の規模が大きくなると対応しきれないのではないか、ということはお客様自身感じていたそうです。 会社の問題だけではなく相続税対策・所得税対策も必要となるため、総合的に広い視野で対応することが求められるのは言うまでもありません。 面談の最後に、お客様は次のようにおっしゃいました。 ・財産管理は想像以上に必要なものであるということが痛いほどわかった ・法人税の対策、相続税対策、所得税対策のすべてに対応してくれるのはうれしい ・顧問税理士の交代も視野に検討したい 【自社株対策参考ブログ】 ・自社株の相続税対策に限界を感じていませんか? ・自社株の相続税対策に株価引下げが本当に効果があるのか? ・自社株の相続税対策に会社分割をしてはいけない会社がある ・自社株の相続税対策に生前贈与は効果があるのか? ・自社株の相続税対策に持株会社は効果があるのか? ・自社株の相続税対策としての自社株買いにデメリットはないのか? 【相続税対策参考ブログ】 ・自社株の相続税対策、借金をすることに意味があったのか?(2014/09/05) ・相続税対策と会社創業家の資産管理(2014/08/11) ・自社株の相続税対策、持株会社の設立はリスクが高すぎる(2013/11/05) ・相続税対策にもファーストクラスとエコノミークラスがある(2013/08/20) ・自社株の相続税対策、自社株買取りは単なる問題の先送り(2013/06/15) ・相続税対策を監査法人に相談したが解決できない(2013/04/26) ・相続税対策と資産管理に悩む上場企業経営者(2012/08/19) ・自社株の相続税対策に行き詰まり会社の売却も検討(2012/06/18) ・自社株の相続税対策、会社分割は意味がない(2012/06/01) ・相続税対策に持株会社は意味がない(2012/05/23) ・相続税対策としての自社株対策はどのようにするべきか?(2012/04/13)