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2013/06/15
自社株の相続税対策、自社株買取りは単なる問題の先送り

先日、相続税対策のご相談があったお客様にお会いしてきました。
お客様は会社経営をされており、祖父様が会社を創業され、お客様自身は三代目の社長とのことでした。

自社株の評価額が高額になりすぎ、相続税を払う現金を確保することは難しいとのことでした。
自社株の問題は、お父様から自社株を相続したときにもありましたが、現在の株価はお父様から相続した当時の10倍くらいになっているとのこと。

会社の顧問の会計士さんからは、会社に自社株を買い取ってもらえば相続税を払えるので問題ないとの助言があったそうです。
ただ、お客様はお父様の相続のときにとても苦労して現金を作られましたので、今は株価が10倍程度で済んでいるが、これからの会社業績はこれまでと変わらず上昇傾向にあるため、お客様自身の相続のときには20倍程度になっている可能性があり、将来に会社が自社株を買い取る現金を持っている保証はどこにもありません。
子供に相続税で苦労させてしまうことは目に見えている、との悩みを抱えておられました。

お客様自身、会社に自社株を買い取ってもらうのが本当に良いことなのか疑問に感じたそうです。
そんなとき、税理士長嶋のホームページをご覧になり連絡をいただきました。

 

【自社株対策として常識とされている3つのこと】
会社経営者の相続税対策において、大きな論点になるのは「自社株」です。
自社株の評価額が高額すぎて相続税が払えないケースが多く、何らかの対策が必要になります。

その何らかの対策として、一般的に次の3つのことが行われます。
(1)株価の評価を引き下げる(相続税を減らす)
(2)会社経営者の持ち株を減らす(生前贈与により財産を減らす)
(3)会社が自社株を買い取り、その資金で相続税を支払う(現金確保)

会社の顧問の会計士さんから提案があったのは(3)でした。
会社経営者自身に相続税を払うための現金がない場合、会社が自社株を買い取り、その現金で相続税を払うことはある意味常識とされています。
なぜ、お客様は自社株買取りに疑問を持たれたのでしょうか。

 

【自社株買いは会社の財務体力が低下し投資機会を失う】
お客様が自社株を会社に買い取らせることを疑問に感じた理由は、次のようなものでした。

・会社が自社株を買い取ってくれることは、創業家としてはプラスになることは間違いない。
・ただ、創業家として考えるべきことは、会社を成長させ存続させること。
・今の時代、積極的に投資をしていかないと会社は成長しない。(現状維持=衰退を意味する)
・会社が自社株を買い取れば、それなりの資金が流出する。
・それなりの資金とは、海外に大きな工場を建設できるくらいの大きな金額になるため無視できない。
・自分に相続があったときには子供が自社株を相続するが、子供の相続のときにもまた同じことが起こる。
・創業家に相続があるたびに、会社の財務体力がどんどん低下していくため、会社経営としては大きなマイナスである。

このように、お客様は自社株の買い取りに対して良いイメージをお持ちではありませんでした。
この根底にあるのは、「会社は社会の公共的な器であり、雇用などを通じて社会に貢献していことが会社の使命である」というお客様の価値観がありました。

雇用を維持していくためには、会社を成長させなければなりません。
創業家を相続税から守るために、会社の資金を私的に流用して良いのか、という大きな疑問をお持ちでした。

 

【自社株の買い取りは問題の先送り】
お客様が感じられていることは、自社株を会社が買い取ることは単なる問題の先送りに過ぎないということです。
根本的な解決にならない小手先の手法を実行することが本当に良いのか、何よりも子供には苦労させたくないという気持ちを強くお持ちでした。

お客様が希望されていることを実現するため、お客様と一緒に歩んでいきたいと思います。

 

【自社株対策参考ブログ】
・自社株の相続税対策に限界を感じていませんか?

・自社株の相続税対策に株価引下げが本当に効果があるのか?

・自社株の相続税対策に会社分割をしてはいけない会社がある

・自社株の相続税対策に生前贈与は効果があるのか?

・自社株の相続税対策に持株会社は効果があるのか?

・自社株の相続税対策としての自社株買いにデメリットはないのか?

 

【相続税対策参考ブログ】
・自社株の相続税対策、株価が高すぎて身動きが取れない(2015/07/07)

・自社株の相続税対策に相続時精算課税は意味がない(2015/04/14)

・自社株の相続税対策に海外持株会社は効果があるのか?(2014/12/16)

・ファーストクラスの相続税対策が必要な会社創業家(2014/10/15)

・自社株の相続税対策に行き詰まり会社は解体される(2014/10/03)

・自社株の相続税対策、借金をすることに意味があったのか?(2014/09/05)

・自社株の相続税対策と創業家の財産管理(2014/05/17)

・自社株の相続税対策、持株会社の設立はリスクが高すぎる(2013/11/05)

・相続税対策にもファーストクラスとエコノミークラスがある(2013/08/20)

・自社株の相続税対策は早ければ早いほど効果がある(2013/06/04)

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・自社株の相続税対策、会社分割は意味がない(2012/06/01)

・相続税対策に持株会社は意味がない(2012/05/23)

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