先日、相続税対策のご相談があったお客様にお会いしてきました。 お客様は会社経営をされており、自社株対策を検討されたいとのことでした。 自社株対策について顧問税理士さんに相談されたそうですが、相続税対策に詳しくなかったそうです。 自社株の相続税対策に詳しい税理士を探していたところ、税理士長嶋のホームページをご覧になりご連絡をいただきました。 【自社株対策として海外に持株会社を設立することは相続税対策になるのか?】 お客様から詳しいお話を伺うと、次のようなことでした。 ・お客様が経営をしている会社は、お客様自身が創業された ・会社は創業してから15年ほどになる ・会社の業績は右肩上がりで上昇し続けている ・このまま順調に会社が成長していけば将来的に自社株の株価が高くなるのは間違いない ・自社株の株価は今もそれなりに高額であるが、将来から比べれば低い株価である ・自社株の株価が低い今のうちに、将来に備えて自社株対策をしておきたい ・海外に法人を設立して、海外法人に自社株を持たせようと考えている ・自社株の相続税対策として海外法人を設立することは効果があるのだろうか? 自社株対策として持株会社が設立されることは多々あり、それは日本国内が一般的です。 お客様は日本国内ではなく海外に持株会社を設立してはどうかと考えておられましたが、次の2点がよくわからないということでした。 (1)海外に持株会社を設立することが妥当なのか (2)海外に持株会社を設立することで相続税対策になるのか 【海外法人を活用するノウハウがなければ海外法人を設立しても相続税対策にならない】 お客様のように海外法人を設立すれば相続税対策になるのか?というご質問をいただくことは少なくありません。 このようなご質問をいただいたとき、税理士長嶋は次のようにお答えするようにしています。 ・海外に持株会社を設立しただけでは相続税対策にはならない ・持株会社が海外にあるということ以外は日本国内で持株会社を検討するのと同じである ・海外法人をうまく活用することにより、相続税対策が可能であること ・海外法人をうまく活用するノウハウを持っている日本の会計士・税理士は極めて少ない ・日本の会計士・税理士には海外法人活用のノウハウがないため、単に海外法人という箱を作ることしかできない 海外法人を利用する目的として自社株対策のためだけではなく、海外に所有する不動産を持たせることを目的とされる方もおられます。 ところが、海外法人をうまく使いこなせていない方がほとんどで、しかも海外法人をうまく使いこなせていないということにも気づいていません。 日本で法人を設立する場合でも同じことが言えますが、単に箱だけを作っても節税効果は生まれません。 節税効果を生むためには、箱を使いこなせるノウハウが不可欠です。 このノウハウは現場で実際に経験してこそ蓄積されていくものですので、けしてインターネットや週刊誌などに掲載されるようなものではありません。 相続税対策に海外法人を利用して節税効果を生み出す近道は、海外法人を活用するノウハウを持っている人間を見つけ出すことだと思います。 【自社株対策参考ブログ】 ・自社株の相続税対策に限界を感じていませんか? ・自社株の相続税対策に株価引下げが本当に効果があるのか? ・自社株の相続税対策に会社分割をしてはいけない会社がある ・自社株の相続税対策に生前贈与は効果があるのか? ・自社株の相続税対策に持株会社は効果があるのか? ・自社株の相続税対策としての自社株買いにデメリットはないのか? 【相続税対策参考ブログ】 ・相続税対策に持株会社を活用することに限界を感じた(2016/05/18) ・会社経営者の相続税対策が困難を極める3つの理由(2016/04/04) ・自社株の相続税対策、株価が高すぎて身動きが取れない(2015/07/07) ・タックスヘイブンにペーパーカンパニー作り所得隠し11億円(2015/05/12) ・自社株の相続税対策に相続時精算課税は意味がない(2015/04/14) ・海外法人を利用した相続税対策、国税を甘く見ないほうがいい(2015/01/27) ・相続税対策と慈善事業のためのオフショア(海外)財団法人(2014/07/04) ・自社株の相続税対策、持株会社の設立はリスクが高すぎる(2013/11/05) ・国外財産調書制度対策に海外法人設立は意味がない(2013/07/22) ・相続税対策に設立したシンガポール法人がトラブルで裁判沙汰に(2013/05/22) ・相続税対策の法人化はノウハウですべてが決まる(2012/08/07) ・相続税対策に持株会社は意味がない(2012/05/23) ・相続税対策に海外法人の活用でトラブル多発(2012/01/04) ・相続税などの節税対策に海外法人設立は効果があるのか?(2011/09/05)