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2015/03/30
スイス銀行口座開設がネットワークビジネス化している!?

先日、相続税対策のご相談があったお客様にお会いしてきました。
お客様は会社経営をされていましたが、昨年会社を売却され、一線から退かれたそうです。

会社を売却したことで多額の現金を手にされ、相続税対策をどのようにするべきかを悩んでおられました。
また、これまで定期的な収入として役員報酬がありましたが、今後は役員報酬を受け取ることができなくなるため、今後の生活費をどのように捻出するのか?という課題も抱えておられました。

生活費の捻出のため、お客様はスイスのプライベートバンクで会社売却資金を運用することを考えておられました。
そこで、スイスのプライベートバンクに口座を開くため、インターネットで口座開設の仲介業者を探して連絡されたそうです。

仲介業者から説明を受けたものの、彼らのことを信じて良いのかどうか悩んでおられました。
相続税対策と海外での資産運用の両方を相談できる税理士を探されていたときに税理士長嶋のホームページをご覧になりご連絡をいただきました。

 

 

【スイスのプライベートバンクで運用して生活費を捻出する】
お客様からお話を伺うと、次のようなことでした。
・これまでは会社から役員報酬を受け取っていたため定期的な収入があった
・会社を売却したために、役員報酬のような定期的な収入がなくなってしまった
・会社売却資金を取り崩して生活することも考えたが、元手を減らしてしまうことが良い方法とは思えない
・相続税対策も兼ねて不動産を購入して家賃収入を得ることも考えたが、人口が減っていく日本で不動産投資をすることが将来的に安心とは思えない

このようなお考えから、スイスのプライベートバンクで運用し、その運用益で生活費を捻出するという結論を出されました。

 

 

【スイス銀行での口座開設そのものがネットワークビジネス化していないか!?】
お客様はスイスのプライベートバンクでの口座開設について仲介業者から説明を受けたとのことでしたので、どのようなお話だったのか伺うと次のようなことでした。
・プライベートバンクの口座開設は日本人のファイナンシャルプランナー(FP)が担当してくれる
・日本人のFPは、口座開設後の資産運用についてポートフォリオや投資商品の選択などのサポートもしてくれる
・銀行口座は○○銀行で開設する

お客様のお話を伺った後、税理士長嶋は次の感想を持ちました。
「またこの話なのか・・・」

「また」という感想を持ったのは、口座開設をする○○銀行がお決まりの銀行だったためです。
仲介業者がスイスのプライベートバンクに口座を開くという話になると、必ず○○銀行が出てくるのです。
○○銀行の名前が出てきた時点で、ネットワークビジネスのような臭いがしてどこか気持ち悪さを感じます。

○○銀行は日本でこのような勧誘活動が行われていることを知っているのか、とても心配になります。
このまま放っておけば○○銀行の看板に傷がついてしまうことでしょう。
もし、○○銀行があえてこのような営業活動をしているとすれば、○○銀行の体質を疑います。

 

 

【なぜ日本人FPが顧客の資産運用サポートをしなければならないのか?】
税理士長嶋がいつも不思議に思うことですが、なぜ日本人FPが資産運用のサポートをしなければならないのでしょうか。
次の2つの理由により、日本人FPが関係する必要はありません。

(1)資産運用のサポートはプライベートバンカーの仕事であるはず
(2)プライバシーが守られない

 

(1)資産運用のサポートはプライベートバンカーの仕事であるはず
ポートフォリオの構築・具体的な投資商品の選定は、本来プライベートバンカーと口座開設者が相談して決めるべきことです。

プライベートバンクはポートフォリオの構築や投資商品の選定の対価として、口座開設者から手数料を得るビジネスモデルです。
そのため、資産運用に関して日本人FPが介入する余地はなく、日本人FPに対して手数料を支払う必要もありません。
日本人FPとプライベートバンクに二重に手数料を支払っていては運用益が目減りするだけです。

日本人FPのサポートにより資産運用を行うのであれば、スイスで運用する必要性はまったくなく、運用益に対する日本での税金を考えると、日本で運用したほうが有利になる可能性さえもあります。

もし、日本人FPのサポートが必要である場面があるとすれば、プライベートバンクから出てきた書類を日本語に訳す程度のことでしょう。

 

(2)プライバシーが守られない
ポートフォリオの構築・具体的な投資商品の選定は、本来プライベートバンカーと口座開設者が相談して決めるべきことです。

どのようなポートフォリオを構築し、どのような商品に投資するのかは、口座開設者とプライベートバンカーだけが知っていればいいはずです。
プライバシーを守ることがプライベートバンクの本質であるにもかかわらず、なぜ第三者の日本人FPに手数料を支払ってまでプライバシーを漏らす必要があるのでしょうか。
税理士長嶋にはまったく理解できません。

もし、日本人FPのサポートが必要な理由がバンカーとのコミュニケーションの問題(言葉)であるならば、そもそもスイスでの資産運用を控えたほうがいいでしょう。
その理由は、バンカーとのコミュニケーションに通訳を入れていては、通訳である仲介業者にプライバシーのすべてを知られることになってしまうためです。

 

 

【それでも仲介業者が資産運用に首を突っ込みたがる理由】
上記のことから、日本人FPが資産運用のサポートをする理由は何一つありません。
これは、日本人FPだけではなく、海外投資コンサルタントなどと称する人たちすべてにいえることです。

それでも彼らはなぜか資産運用に首を突っ込みたがります。
その理由は、彼らには「あるメリット」があるためです。

このような話になったときには、仲介業者に次の質問をしてみてください。
「私の資産運用について、あなたのサポートが必要な理由は何ですか?」

この質問に対して、正当な理由を答えられる仲介業者が存在するとは思えません。

 

 

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