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2017/09/18
スイスプライベートバンク詐欺、時間をかけて信用させる手口

先日、スイスのプライベートバンクについてご相談があったお客様にお会いしてきました。
お客様はスイスのプライベートバンクに口座を持たれていますが、口座開設を依頼した仲介業者と連絡が取れなくなったとのことで困っているとのことでした。
口座開設の仲介業者と連絡が取れなくなった時期から、スイスのプライベートバンクから送られてくる運用報告書に書かれている残高などの項目がすべて「ゼロ」と記載されるようになり、不信感を持たれていました。
・投資詐欺にあったのではないか?
・本当にスイスのプライベートバンクで運用されているのか?
・投資資金を日本に戻すにはどうすればよいか?

など、不安を抱えているときに税理士長嶋のホームページをご覧になりご連絡をいただきました。

 

 

【時間をかけてお客様を信用させ、最終的にうまくやられた】
お客様から詳しいお話を伺うと、次のようなことでした。
・10年ほど前に、スイスのプライベートバンクについて書かれた書籍を読み興味を持ったため、本で紹介されていた口座開設の仲介業者に連絡を取った。

・仲介業者が口座開設についてのセミナーを開くとのことだったので、スイスプライベートバンク口座開設セミナーに参加した。

・口座開設仲介業者の勧めにより、スイスのA銀行というプライベートバンクに口座を開設し、送金を行った。

・口座開設から数年が経った後、口座開設仲介業者からプライベートバンクをB銀行に変更する旨の説明を受けた。

・B銀行に変更する理由は、A銀行の手数料が高いとのことだった。

・お客様は口座開設仲介業者の提案を受け入れ、プライベートバンクをA銀行からB銀行に変更した。

・B銀行に変更した後、口座開設仲介業者と連絡が取りづらくなった。

・口座開設仲介業者と連絡が取りづらくなったころから、B銀行から送られてくる運用報告書に書かれている残高などの項目が「ゼロ」と表記されるようになった。

・お客様は日本の国際弁護士に相談し、B銀行から資金を引き出すことを決め、弁護士に海外に飛んでもらうなどの動きを開始した

・3ヶ月前から口座開設仲介業者とは完全に連絡が取れなくなった。

税理士長嶋の率直な感想は「よくあるスイスのプライベートバンクが絡む詐欺の手口で、時間をかけてお客様を信用させ、最終的にうまくやられた」というものです。
お客様の潮目が変わったのはプライベートバンクをA銀行からB銀行に変更したことでしょう。
口座開設仲介業者も最初からそれが目的だったと思います。

 

 

【口座開設仲介業者が勧めてきたB銀行はプライベートバンクではない】
お客様が最初に口座を開いたスイスのプライベートバンクのA銀行。
このA銀行はまともなプライベートバンクですので、口座開設当初はまともに運用されていたと思われます。
まともに運用して実績をあげることで、口座開設仲介業者はお客様を信用させようとしたのでしょう。

スイスのプライベートバンクのA銀行で数年運用した後、口座開設仲介業者はA銀行からB銀行に変更するようにお客様に勧めています。
これがお客様にとって落とし穴でした。

「スイスのプライベートバンクのB銀行に口座開設して、A銀行で運用していた資金をB銀行に移した」とお客様はおっしゃいました。
ここで税理士長嶋は疑問を抱きます。

口座開設仲介業者が勧めてきたスイスのプライベートバンクと称するB銀行は、税理士長嶋が知る限りプライベートバンクではありません。
B銀行を日本流にいえば、証券会社や資産運用会社といった位置づけの会社であり、銀行ではありません。

B銀行と称する会社は銀行ではないにもかかわらず、なぜお客様はB銀行と称する会社をプライベートバンクと信じ込んでしまったのでしょうか?
その理由について、お客様のお話を伺うと税理士長嶋は十分に理解できました。

 

 

【口座開設仲介業者はなぜ最初からB銀行を勧めなかったのか?】
口座開設仲介業者がお客様にA銀行からB銀行に変更するように勧めた理由が、A銀行の手数料が高いということでした。
ここでも税理士長嶋は疑問を抱きます。

プライベートバンクで手数料がどれくらいかかるのか、概算程度は口座開設時にわかることです。
口座開設仲介業者が事前にB銀行のほうが手数料が安いことを知っているのであれば、なぜわざわざ手数料が高いA銀行をお客様に勧めたのでしょうか?
最初からB銀行をお客様に勧めればいいはずです。

A銀行はまともなプライベートバンクですので、しっかりとマジメに運用しますので運用実績が出るのは当然です。
運用実績を出せるA銀行ですので、B銀行と称する会社よりも手数料が割高になるのは何ら不思議ではありません。

一方で、口座開設仲介業者がスイスのプライベートバンクと称したB銀行。
A銀行で運用実績が出ていましたので、お客様は口座開設仲介業者を信用してしまったのでしょう。
口座開設仲介業者はお客様を最初からB銀行と称する会社に誘導するために、A銀行を利用したとしか思えないのです。

 

 

【日本の国際弁護士を雇っても「子どものお使い」では困る】
お客様は日本の国際弁護士を雇ってB銀行から資金を引き出そうとされました。
税理士長嶋の率直な感想は、お客様は「弁護士の人選ミス」をされています。

お客様はわざわざ日本で国際弁護士を雇い、その弁護士を海外に飛ばせました。
この弁護士が現地でしたことといえば、次の2つでした。
・口座開設仲介業者の現地拠点を訪問した
・現地警察に相談した

この程度の対応であれば「子どものお使い」と同じです。
日本人は弁護士であれば何でも解決してくれると思い込んでいます。
日本人は英語ができる国際弁護士を雇えば、海外のことも解決してくれるものと思い込んでいます。

結果として、国際弁護士を雇っても「子どものお使い」では話になりません。
ハッキリと申し上げますが、お客様が雇うべき弁護士は英語ができる日本の国際弁護士ではありません。

 

 

【相続税対策参考ブログ】
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・スイス銀行口座開設、悪質な仲介業者にご注意(2016/10/05)

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