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2015/05/31
海外在住日本人の相続税対策と資産保全・資産防衛

先日、相続税対策のご相談があったお客様にお会いしてきました。

お客様はお仕事の関係でギリシャで生活されており、日本で生活されているご両親の相続税対策とご自身の資産保全・資産防衛について悩まれていました。
ご両親の相続税対策は日本の相続税のことですので、日本の相続税に詳しい税理士を探しておられました。
また、ご自身の資産保全・資産防衛については、海外に詳しい専門家を探しておられました。

そんなとき、税理士長嶋のホームページをご覧になり日本の相続税と資産保全・資産防衛の両方を一つの窓口で相談できることにメリットを感じられご連絡いただきました。
近いうちに日本に帰国されるとのことでしたので、帰国の日程に合わせて日本でお会いさせていただきました。

 

【資産保全・資産防衛は海外に住む日本人には大きな課題】
お客様からお話を伺うと、次のような課題を抱えておられました。

(日本の相続税対策)
・両親が日本で生活しているため、日本の相続税が心配である
・もし両親に相続があった場合には、億単位の相続税が見込まれる
・ご両親がお持ちの金融資産だけでは相続税を払うことができないため、お客様自身の貯金を取り崩すか不動産を売却しなければならない
・お客様はギリシャで生活しているが、将来的にも日本で生活する予定がない
・お客様は日本で生活する予定がないため、日本で生活されているご両親の自宅を相続するにあたって、自宅(不動産)の維持・管理をどうするのか?という問題も出てくる

(お客様ご自身の資産保全・資産防衛)
・お客様がギリシャでお仕事をされる前は日本でお仕事をされていた
・日本でお仕事をされていた時代の貯金は日本の銀行に預けたままとなっている
・ギリシャ政府には財政不安があるため、ギリシャで預金を持ちたくない
・日本はギリシャよりもまだ安全であるが、日本の円預金は昨今の円安により資産価値が相当目減りしている
・お客様自身の資産を守るため、リスク分散・リスクコントロール(資産保全・資産防衛)が必要と感じている
・資産保全・資産防衛の手段として、プライベートバンクを利用することも考えたい

ご両親の相続税対策とお客様自身の資産保全・資産防衛について、どちらの課題が優先順位として高いのか?をお客様に確認すると、後者のご自身の資産保全・資産防衛ことが一番気になっているとのことでした。

 

【資産価値を計る基準は米ドルであって日本円ではない】
お客様自身の資産保全・資産防衛、つまりお客様ご自身の資産をどのように守るのか?という課題ですが、これは十分に理解します。
この課題はギリシャに限らず、自国が政情不安や経済不安を抱えている場合は避けて通ることができません。

また、日本以外の国にお住まいの日本人は「円預金の価値が目減りする」ことは必ずと言っていいほど気にします。
その理由は、海外で生活している以上、資産価値の基準となるのは世界の基軸通貨である米ドルであって、日本円を基準とすることはあり得ません。

例えば、数年前は1ドル80円程度だったものが今では1ドル120円程度まで円安が進んでいます。
資産価値を米ドルベースで見た場合、日本円の価値は50%目減りした、つまり日本円の価値は米ドルに対して半値になったことを意味します。

また、昨今においては中国人観光客による日本での「爆買い」が話題になっていますが、その昔1元12円という時代から1元20円程度まで円安の時代に進んできました。
彼らにとっては「円安元高」になっているため、日本製品はこれまでのほぼ半値で購入できることから、購買意欲が高まるのは当たり前のことです。
人民元は事実上のドルペッグ制度を維持していることから、円安ドル高の効果は人民元に対しても連動します。

世界の基軸通貨は米ドルであるため、資産価値を計る基準は米ドルであって日本円ではありません。
「日本円の価値が目減りする」という課題は、海外で生活している日本人にとっては大きなテーマの一つと言えます。

 

【「日本」というカゴにタマゴのすべてを盛り続けていることを十分に理解するべき】
日本に住む日本人にとって資産保全・資産防衛という感覚をお持ちの方は少数派だと思いますが、私どものお客様においてはこの感覚をお持ちの方が多数派となっています。
日本に住む日本人にとっては「知らない外国よりはよく知っている日本のほうが安心である」というホームバイアス(自国びいき)も十分に理解できるのですが、資産保全・資産防衛にまでこれを持ち込むことが本当に正しい判断なのでしょうか。
これはよく考えた方がいいでしょう。

現代のファイナンス理論では「タマゴは一つのカゴに盛るな」と言われます。
ご自身が日本に住み、マイホームとして日本の不動産を所有し、給与や年金・家賃収入など生活に必要な収入は日本円であり、貯金は日本円である場合。
これは「日本」というカゴにタマゴのすべてを盛り続けていることを十分に理解したほうがよいでしょう。

 

【相続税対策参考ブログ】
・スイス銀行口座開設がネットワークビジネス化している!?(2015/03/30)

・スイス銀行を使いこなすにはノウハウが必要(2014/12/19)

・医療法人売却後の相続税対策(2014/09/08)

・相続税対策と会社創業家の資産管理(2014/08/11)


・遺産相続した財産の資産管理と海外移転(2014/06/23)


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