先日、相続税対策のご相談があったお客様にお会いしてきました。 お客様がお困りになっていたのは相続税の問題だけではなく、家族として今後どのように資産を守っていくのか、という問題も抱えておられました。 このようなご事情から、お客様は既にスイスの銀行に口座を開かれていました。 詳しいお話を伺うと、お客様はスイスの銀行について満足されていないご様子でした。 そこで、税理士長嶋は次の質問をしてみました。 「スイスの銀行の担当者はどのような方ですか?」 【スイスの銀行の担当者は日本人のプライベートバンカー】 お客様のお話をまとめますと、次のようなことでした。 ・スイスにあるA銀行(プライベートバンク)に口座を開いている ・プライベートバンカーはB氏という日本人である 税理士長嶋は、A銀行という名前を初めて聞きました。 A銀行が本当にスイスに存在するのかが心配になりましたので、税理士長嶋がいつもお世話になっているプライベートバンカーに確認してみました。 【日本で仕事ができなくなったのでスイスのバンカーになったのでは?】 税理士長嶋がいつもお世話になっているプライベートバンカーの話をまとめると、次のようなものでした。 ・A銀行という名前を聞いたことはないが、名前の付け方や響きからすると○○系の銀行だと思う ・B氏は日本のメガバンクに在籍していたことがあり、専門は日本株のトレーダーである ・B氏の配偶者は日本人ではなく、○○の国の人である ・この業界は非常に狭いので、名前を聞けば誰だかすぐにわかる ・B氏は、A銀行にいらっしゃるんですね(バンカーは少々驚いている印象) バンカーの話の中で最も印象に残った言葉は、次のことでした。 ・B氏は日本株専門なので、この業界のことをあまり知らないはず。 ・日本株を専門としている銀行員は日本で仕事にならない、そのためにスイスに行ったのではないか。 【プライベートバンカーは誰でもよいわけではない】 税理士長嶋が最も驚いたのは、B氏がこの業界をあまり知らないという事実。 この事実をお客様にすぐお伝えしました。 お客様は、税理士長嶋以上に驚かれていました。 同時に、お客様が満足できる結果が出ていない理由がよくわかりました。 日本人で日本の銀行員だった方が、スイスなどの銀行でバンカーになっているケースもあります。 バンカーが日本人であるため、口座を開設する日本人のみなさまはなぜか安心して全面的に信頼する傾向にあります。 言葉の壁は簡単にクリアできるかもしれませんが、そのバンカーがみなさまの希望を実現させてくれる能力を持っているのかどうかの判断をしなければならないことを忘れてはいないでしょうか。 もし、みなさまが日本人のプライベートバンカーに会う機会がありましたら、次のことをバンカーに質問してみてください。 「あなたの専門は何ですか?」 【相続税対策参考ブログ】 ・スイス銀行(プライベートバンク)口座開設 ・シンガポールプライベートバンク、ジャパンデスク閉鎖で金融難民続出(2017/06/25) ・相続税対策に海外財団法人は効果があるのか?(2017/06/01) ・シンガポールプライベートバンカーの相続税対策に税務上問題あり(2017/05/27) ・スイス銀行口座開設、悪質な仲介業者にご注意(2016/10/05) ・スイス銀行、信頼できるプライベートバンカーの見分け方(2015/10/06) ・スイス銀行口座開設、詐欺を見抜く2つのポイント(2015/06/09) ・スイス銀行口座開設がネットワークビジネス化している!?(2015/03/30) ・スイス銀行を使いこなすにはノウハウが必要(2014/12/19) ・シンガポールに資産移転をしても相続税対策にならない(2013/12/16) ・スイスプライベートバンク口座開設、詐欺にご注意(2013/08/12) ・スイス銀行口座開設、資産運用はバンカーの能力で決まる(2012/05/14) ・スイス銀行口座開設、バンカーの助言でトラブルに巻き込まれる(2012/04/30) ・プライベートバンク口座開設セミナー・視察ツアーにご注意(2012/01/08) ・スイスなど海外銀行に口座開設を検討されているみなさまへ(2011/08/19)