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2014/05/26
海外移住での節税失敗、上場企業会長が10億円申告漏れ

香港へ移住することで所得税の節税を行った東証一部上場企業の会長が10億円の申告漏れを指摘されました。
節税のために安易に海外移住を選択したことで、会長の名前に傷がついてしまうという最悪な結果となりました。

これほどの地位にある方が、なぜ海外移住という幼稚な節税方法を選択してしまったのか、不思議でなりません。
残念なことに、優秀な税理士を側に置いておられなかったのでしょう。




(朝日新聞:2014年5月24日)
「香港に移住しても日本が本拠地」10億円申告漏れ指摘

自動車部品メーカー「ニフコ」(東証1部上場、横浜市)の小笠原敏晶会長(83)が東京国税局の税務調査を受け、2011年までの3年間で約10億円の申告漏れを指摘されたことがわかった。
小笠原会長は香港に移住したとして日本で申告しなかったが、国税局は生活の本拠地は日本にあると認定したとみられる。
無申告加算税などを含めた追徴税額は1億数千万円。
会長の税理士は「香港移住は租税回避のためではないが、香港の滞在期間が日本より短く、国税の指摘を受け入れ、納税した」としている。

関係者や税理士によると、会長は08年に東京都内から香港へ転居し、住民票を移した。
ニフコから受け取る報酬や株の配当は日本で源泉所得税を納めていた。
しかし、海外子会社から得た報酬などについては、海外に居住しているとして、国内での申告は必要ないと判断したという。

これに対し、国税局は、会長が頻繁に香港と日本を往復しており、日本での滞在日数が香港を上回ったことなどから、生活の本拠地は日本で、国内で申告すべきだったと認定したという。




【それなりの地位や名声のある方にとって最も大きな痛手は名前に傷がつくこと】
それなりの地位や名声のある方にとって最も大きな痛手となるのは、このような報道がされることで名前に傷がついてしまうことです。
こんなリスクを背負うのであれば、素直に税金を払ったほうがまだマシです。
このリスクを理解していない税理士は、それなりの地位や名声のある方を顧客に持ったことがない人たちです。

 

【会長は相続税対策の再考を迫られるだろう】
税務調査により、所得税において海外居住が認められなかった結果を踏まえると、会長の相続税対策も一からやり直しになるのではないでしょうか。

所得税対策に海外移住を選択されましたので、相続税対策に海外財産を贈与する・相続させることも計画されていたはずです。
その前提条件の海外居住が崩れてしまった以上、どうしようもありません。

 

【国税は将来の相続財産を発見できたことのほうが嬉しいはず】
国税は所得税の税務調査を行ったことで、将来相続税の課税対象となる海外財産を把握できたことになります。
所得税の追徴課税よりも、将来の相続税のほうが多額になるでしょうから、国税としては将来の相続財産を発見したことのほうが嬉しいのではないでしょうか。

 

【所得税対策や相続税対策に海外移住する必要はない】
所得税の節税対策や相続税対策を検討する場合に、海外移住は必ず候補の一つに挙がってきます。
海外移住で節税は、週刊誌でも取り上げられるような素人でも考えつく方法です。
節税に海外移住を顧客に勧めている税理士は、実務の経験がなく週刊誌レベルの知識しか持ち合わせていないため、残念な税務の専門家といえます。

なぜ、所得税対策や相続税対策に海外移住が必要なのでしょうか。
税理士長嶋から言わせれば、海外移住はまったく必要ありません。
日本の税理士は「究極の節税=海外移住」という発想しかありませんので、まったく話になりません。

 

【相続税対策参考ブログ】
・海外移住は本当に究極の相続税対策なのか?

・相続税税務調査対策ガイド

・海外移住による相続税対策の税制改正、海外居住10年以上に(2016/10/25)

・タックスヘイブンにペーパーカンパニー作り所得隠し11億円(2015/05/12)

・出国税導入により相続税と出国税の二重課税となる場合も(2015/02/11)

・スリーボンド元会長、海外移住に失敗し20億円超の申告漏れ(2015/02/08)

・トステム創業家110億円申告漏れ、相続税60億円追徴課税(2014/12/24)

・出国税の導入へ、海外移住による税逃れ防止のため(2014/10/27)

・欧米の富裕層の相続税対策は日本人にも効果があるのか?(2014/08/16)

・監査法人から提案された相続税対策に海外移住は不安(2014/07/19)

・富裕層・海外資産に対する所得税の税務調査が活発化(2013/11/08)

・究極の相続税対策は海外移住ではない(2013/10/22)

・相続税対策を監査法人に相談したが解決できない(2013/04/26)

・相続税対策のための海外移住、夫の提案に妻は断固反対(2013/01/20)


・相続税対策を目的とした海外移住が失敗する理由(2012/10/17)

・相続税の節税対策に海外移住をする必要はない(2011/10/21)