先日、相続税対策のご相談があったお客様にお会いしてきました。 お客様は不動産を多数お持ちで、その半数は駐車場や更地でした。 資産運用を兼ねて土地活用をすべきかどうか、そして不動産の相続税対策をどのように進めていくべきかを悩まれていました。 お客様はハウスメーカーなどに相談されたものの、どこも同じような提案しか出てこなかったそうです。 土地活用をすべきか決めかねていたときに税理士長嶋のホームページをご覧になりご連絡をいただきました。 【不動産業者から提案を受けたのは土地の売却・賃貸アパートの建設・土地の買い替え】 お客様はハウスメーカーなどに土地活用を相談されていましたので、その提案についてどのような感想をお持ちになったのか伺ったところ、次のようなことでした。 ・土地活用を銀行系不動産業者・ハウスメーカーに相談した ・土地活用として、土地の売却・賃貸アパートの建設・土地の買い替えの提案があった ・土地を売却する場合、土地売却資金の相続税対策をどのようにするのかが見えてこない ・賃貸アパートを建てた場合、借金を背負う割には実質利回りは2%程度しかないため運用という点ではあまり魅力を感じない ・土地を買い替えるにしても、相続税対策になるのかが見えてこない お客様は不動産業者に相続税対策を相談されましたが、実行した場合のその先の将来が見えてこないため、決断するための材料が不足していることは明らかでした。 また、そもそもの話として、お客様は借金をして賃貸アパートを建てることにあまり乗り気ではありませんでした。 アパート経営がうまくいかなかったときには賃貸アパートそのものが「負の財産」になりかねず、これに加えて借金も残ってしまう。 子供たちの負担になるようなものは残したくないとのお考えでした。 【なぜ相続税対策を業者に相談してしまうのか?】 税理士長嶋は日ごろから次の疑問を抱いています。 「相続税対策をなぜ業者に相談するのだろうか?」 お客様が相談された銀行系不動産業者・ハウスメーカーは「業者」です。 彼らの仕事は、土地の活用・土地の売買・アパート建築をすることです。 また、彼らは例外なく銀行と提携していますので、銀行の仕事である金貸しを引き出そうとしてローンによるアパート建築を勧めてきます。 業者は自分の仕事になる提案しかしません。 これは当たり前のことであるとわかりきっているはずなのですが、相続税対策を必要とされる方はなぜ業者に相談してしまうのでしょうか? 業者が提案することは業者自身にとってはベストな方法ですが、これが相続税対策を必要とされている方にとってベストな方法かどうかは別の話であることは言うまでもありません。 相続税対策を必要とされている方はもっと冷静になるべきではないでしょうか。 【相続税対策参考ブログ】 ・相続税対策に不動産の有効活用は本当に効果があったのか? ・相続税対策と称して建築業者から紹介手数料を受け取る銀行(2017/04/25) ・相続税対策にアパートを建てると本当に節税になるのか?(2016/09/27) ・相続税対策と称して認知症患者に借金をさせた銀行(2015/12/30) ・タワーマンションによる相続税対策が規制されるのは当然だ(2015/12/22) ・相続税対策を念頭に置いた会社創業家の海外での財産管理(2015/07/29) ・自社株売却による現金の相続税対策(2015/06/15) ・現金預金の相続税対策は不動産を買うしかないのか?(2015/05/22) ・相続税対策における賃貸マンションと家賃保証のカラクリ(2014/08/25) ・銀行の手先になっている相続税専門税理士にご注意(2014/07/31) ・相続税対策と称して銀行にいいようにやられた(2014/02/28) ・相続税対策のための借金は銀行に上納することを意味する(2014/02/08) ・相続税対策に不動産を活用するのは時代遅れ(2014/01/17) ・相続税対策に「何もしない」という結論もある(2013/07/10) ・相続税対策で作った借金を返済できず自宅が競売に(2013/01/11) ・相続税対策に借金をしてはいけない(2011/08/01) ・相続税対策にアパート経営は危険(2011/07/25)