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2015/05/22
現金預金の相続税対策は不動産を買うしかないのか?

先日、相続税対策のご相談があったお客様にお会いしてきました。

お客様は会社経営をされており、創業100年ほどになるとのことでした。
お客様のお父様がそれなりの年齢になってきたため、相続税対策をそろそろ考えたいとのことでした。
お客様の会社には顧問税理士さんがおられますが、相続税の経験がないために相続税に関する助言はまったく期待できず、助言をくれる相続税に詳しい税理士を探しておられました。

そんなとき、税理士長嶋のホームページをご覧になり私どもの考え方・方針などに共感されご連絡をいただきました。

 

【お客様の課題は預貯金などの金融資産の相続税対策】
お客様から詳しいお話を伺うと、次のようなことでした。
・家族の方針として、会社の利益のほとんどを役員報酬として家族に分配している
・役員報酬が高額であるため、所得税は最高税率で課税されている
・お父様も役員報酬を受け取っており、預貯金として将来の相続財産が積み上がっている
・お父様の財産のほとんどが預貯金である
・会社に利益を残していないため、自社株の株価対策はそれほど必要ない

お父様の財産のほとんどが預貯金であるため、預貯金についての相続税対策をどのようにするべきかを悩まれていました。
また、お客様の本音の部分としては所得税の負担が大きいため、所得税の節税対策も必要とされていることを感じとりました。

 

【預貯金の相続税対策は不動産購入しかないのか?】
お客様にこれまでどのような相続税対策を検討されたのかを質問したところ、次のようなお話でした。
・銀行や不動産業者に相続税対策を相談したものの、どこに相談しても不動産を購入することを勧められた
・銀行や不動産業者は所詮セールスをするのが仕事であるため、自分たちの仕事になる話しかしない
・家族の方針として、不動産を購入することは好ましいことではないと考えている
・借金をして不動産を購入するようなことはナンセンスな話である

一般的な話として、預貯金などの金融資産の相続税対策を検討する場合に真っ先に挙がってくるのが不動産購入です。
預貯金として財産を持っていると相続税がまともにかかってくるが、預貯金を不動産に換えておくことで相続税評価額を下げることができるため、相続税が減るというものです。

教科書的な話をするのであれば確かにその通りなのですが、お客様ご家族の考えの中には不動産を購入するという選択肢はありません。
誰に聞いても「不動産購入しかない」と言われたことから「他に相談するところがない」というのがお客様の本音のようでした。

 

【相続税の節税を目的にすると思考停止に陥る】
税理士長嶋が常々疑問に思っていることなのですが、預貯金などの金融資産の相続税対策として、なぜ金融資産をわざわざ不動産に換える必要があるのか?ということです。

金融資産は最も財産価値が高く流動性があり、そして便利であるからこそ相続税評価額が一番高くなっている。
これは当たり前の話です。

一方、不動産は権利関係が複雑で流動性が低く使い勝手が悪いために、相続税評価額は金融資産よりも低く設定されている。
これも当たり前の話です。

せっかく財産価値が高い預貯金を持っているのに、なぜわざわざ財産価値が低い不動産に置き換える必要があるのでしょうか。
財産価値が低いものを所有すれば相続税評価額が下がるのは当たり前のことで、財産価値を失うような相続税対策は本末転倒でしょう。

このことは冷静になって考えればわかるはずなのですが、相続税の節税を目的にしてしまうことで論点がズレてしまい、その結果として思考停止に陥っていると言わざるを得ません。

 

【相続税を節税するのではなく財産を守るという考え方もあっていいはず】
お客様ご家族は相続税を節税するのではなく「財産を守る」という視点で物事を考えておられ、この部分はまさに私どもの価値観と相通ずるものです。
お客様ご家族の価値観には、家族の資産の現在価値を子供・孫世代に引き継いでいくというものがあり、これは私どもも共感する部分です。

例えば、現在の資産価値が10億円なのであれば、子供・孫世代にも将来の資産価値として10億円の資産を引き継がせるという考え方です。
この考え方は、10億円という額面通りの価値を維持すれば良いのではなく、物価上昇や貨幣価値の変動も考慮した上で将来においても現在の資産価値を維持することを意味します。
お客様ご家族の場合は、預貯金だろうが不動産だろうが資産の形にはこだわりはなく、資産の現在価値(時価)が重要であるとのお考えでした。

ご家族の価値観はご家族によって様々ですが、相続税を節税するという考え方ではなく「財産を守る」という考え方をされているお客様のようなご家族においては、相続税に対して他の方々とは違う景色が見えています。

・預貯金などの金融資産に対する相続税対策は、本当に不動産を購入するしかないのでしょうか?
・財産価値を下げてまで相続税を節税する意味はあるのでしょうか?
・預貯金を不動産に置き換えるということは、自ら資産価値を失う行動をとっているということを十分に理解されているでしょうか?

冷静になって考えるべきです。

私どもは預貯金などの金融資産の相続税対策について、解決策を持ち合わせています。
残念ながら、日本の税理士・会計士・銀行ではこの課題を解決することはできないでしょう。
なぜなら、彼らにはこの課題を解決するためのノウハウが蓄積されておらず、不動産購入しか提案できないのがその証拠です。

 

【相続税対策参考ブログ】
・診療報酬改定による医療法人の売却と創業家の相続税対策(2016/03/22)

・相続税対策を念頭に置いた会社創業家の海外での財産管理(2015/07/29)

・自社株売却による現金の相続税対策(2015/06/15)

・相続税対策の相談をなぜ業者にしてしまうのか?(2015/04/28)

・医療法人売却後の相続税対策(2014/09/08)

・相続税対策と会社創業家の資産管理(2014/08/11)

・銀行の手先になっている相続税専門税理士にご注意(2014/07/31)

・相続税対策と称して銀行にいいようにやられた(2014/02/28)

・自社株売却後の相続税対策(2013/10/09)


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