先日、遺産相続した財産について、資産管理のご相談があったお客様にお会いしてきました。 昨年、お客様のお父様に相続があり、今年に入って相続税の申告を済まされたとのことでした。 お父様から相続した預貯金や不動産をどのように活用すれば良いのか、これらの財産をどのように守って行くのかなど「資産管理」について悩まれていました。 そんなとき、税理士長嶋のホームページをご覧になりご連絡をいただきました。 【相続税専門の税理士さんは資産管理についてご存知ではないようだ】 お客様からお話を伺うと、次のようなことでした。 ・相続税の申告は、相続税専門の税理士さんにお願いした ・相続税の申告に関して、相続税専門の税理士さんの対応には満足している ・相続税の申告後の資産管理について相談してみたが、あまりご存じではないような印象を受けた ・税理士さんは相続税の専門ということだったので、このような結果になっても致し方ないことは十分に理解している そこで、お客様が考える資産管理とはどのようなことを意味するのか、さらにお話を伺うことにしました。 【インフレによる資産価値の目減りを回避したい】 お客様が考える資産管理とは、次のようなことでした。 ・お客様は学生時代に海外留学をされ、10年ほど海外赴任された経験もある ・インフレの時代に育ってきたため、インフレの怖さが身体に染みついている ・今後のインフレの可能性を考えると、財産を預貯金で持っておくことに不安がある ・せっかく父から引き継いだ財産なので、資産価値を目減りさせるわけにはいかない ・子供たちに日本以外の世界を見せるため、子供たち全員を学生時代に海外留学させており、現地で就職した子供もいる ・お客様自身が資産管理という視点で行動することで、子供や孫への金銭教育にもなると考えている お客様のお話をまとめると次のようなことが論点になることがわかりました。 ・相続した預貯金を日本円で持っていることで、インフレによる目減りが想定される ・資産価値の目減りを回避するため、日本円ではなく外貨を持っておきたい ・子供たちの金銭教育のため、子供たちに判断をさせるつもりである ここで、税理士長嶋から次の質問をしてみました。 「日本の銀行で外貨預金をすれば簡単な話ではないでしょうか」 お客様は海外留学の経験がおありで、現地でお仕事をされていたこともあり、日本の銀行の外貨預金では意味がないことを十分にご理解されていました。 【外国で外貨を持つときに検討すべきこと】 お客様のご希望は、外国で外貨を持ちたいというものでした。 一口に「外貨を持つ」と言いましても、例えば次のようなことを検討する必要があるでしょう。 ・外貨を持った場合、その外貨を使う予定はあるのか ・資産運用は必要なのか ・日本語対応は必要なのか このようなことを検討することで、どこの国でどの銀行に口座を開き、どの通貨を持つのが最適なのかが見えてくるはずです。 馬鹿の一つ覚えのように「HSBC香港に口座を開きましょう」というような業者は、低レベルすぎてまったく話になりません。 【相続税対策参考ブログ】 ・スイス銀行(プライベートバンク)口座開設 ・海外在住日本人の相続税対策と資産保全・資産防衛(2015/05/31) ・医療法人の相続税対策と海外銀行の資金管理運用(2015/02/25) ・欧米の富裕層の相続税対策は日本人にも効果があるのか?(2014/08/16) ・相続税対策と会社創業家の資産管理(2014/08/11) ・海外銀行の共同名義口座が相続税対策になるはずがない(2014/03/29) ・シンガポールに資産移転をしても相続税対策にならない(2013/12/16) ・スイスプライベートバンク口座開設、詐欺にご注意(2013/08/12) ・資産海外移転、海外投資クラブにご注意(2012/10/11) ・シンガポールプライベートバンク口座開設ツアーにご注意(2012/08/28) ・HSBC香港口座開設ツアー参加費用、夫婦で50万円!?(2012/07/14) ・プライベートバンク口座開設セミナー・視察ツアーにご注意(2012/01/08)