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2012/07/14
HSBC香港口座開設ツアー参加費用、夫婦で50万円!?

先日、相続税対策のご相談があったお客様にお会いしてきました。

お客様からご相談があったのは相続税対策だけではなく、資産運用をどうするべきかというご相談もありました。
具体的には、将来の老後に備えて貯蓄をしておきたいというご希望でした。

税理士長嶋は、お客様に次の質問をしました。
「将来の老後に備える貯蓄として、今何か考えておられることはありますか?」

すると、お客様はHSBC香港に口座開設を検討されていました。

 

【HSBC香港に口座開設することを悩んでいる】
お客様は、書店でHSBC香港の口座開設に関する本を購入し、インターネットで調べて口座開設の業者さんに連絡を取られたそうです。
業者さんが開催されているHSBC香港の口座開設ツアーの申し込みの期限が迫っているとのことでした。

お客様はHSBC香港に口座開設することに悩んでおられたようで、税理士長嶋に意見を求められました。
そこで、税理士長嶋はお客様に次の質問をしました。
「HSBC香港の口座開設の業者さんから、どのようなお話を聞かれたのでしょうか」

 

【HSBC香港口座開設ツアーの参加費用は夫婦で50万円】
お客様がHSBC香港の口座開設の業者さんから聞いていたことは、次のようなことでした。
(1)HSBC香港に口座を開設して、香港で投資をしましょう。
(2)年利15%で運用されている投資商品があり、毎月3万円を5年間積み立てる(総額180万円)ことで、30年後には5000万円になる。
(3)HSBC香港の口座開設ツアーへの参加の回答期限が一週間後に迫っている。
(4)HSBC香港の口座開設ツアーに参加する費用は、夫婦で50万円程度かかる。
(5)HSBC香港の口座開設ツアーの参加費用には、航空券・宿泊・香港での食事のすべて・香港でのセミナーが含まれている。

 

【口座開設ツアーだけでも山ほど違和感がある】
税理士長嶋からお客様へ次のようなお話をしました
(1)悩んでおられるのでしたら、今回は見送ったほうがよいのではないか。
(2)HSBC香港の口座開設ツアーはいつでも開催しているので、慌てる必要もない。
(3)HSBC香港の口座開設ツアーの参加費用(ご夫妻で50万円)は適正だと思われますか?
(4)年利15%で運用されている商品は、現在でも15%で運用されているか確認されましたでしょうか?

(1)について、物事を実行するにあたり「悩む」ということは検討不足ではないかと思いました。
さらに検討するため「実行しない」という選択肢もあるのではないかと考えます。

(2)について、業者さんは「今しかない・次はいつあるかわからない」といったような精神的に圧力をかけている可能性があります。
このような口座開設ツアーはいつでも開催しているので心配は不要です。

(3)について、例えば、旅行会社で香港2泊3日間・一流ホテルに宿泊するツアーに申し込んだとしても、10万円あればそのツアーに参加できると思います。
今回の参加費用はご夫妻で50万円ですので、お一人25万円。
口座開設ツアー25万円と旅行会社でのツアー10万円との異なる点といえば、香港での食事がすべて付いていること、そして香港でセミナーがあるということです。
冷静に考えて、食事とセミナーで15万円かかるのか?というお話です。
香港で宿泊するホテルが一流ホテルではなかった場合、その差額は15万円ではなく20万円になることでしょう。

(4)について、年利15%で運用されている商品はあると思いますが、その運用成績はいつからいつまでの成績なのかがポイントになります。
業者さんの何らかの意図により、運用成績が示されている期間が操作されている可能性があります。
例えば、次のようなことが考えられます。
・2000年から2007年のリーマンショック前までの期間の運用成績が示されている(情報が古い)
・2010年のギリシャ危機以降の運用成績が示されていない(直近の情報ではない)

業者さんにとって都合の悪いデータが隠されているのではないか?という視点はとても重要だと思います。

 

【HSBC香港の口座開設ツアーが危険な理由はもっと他にある】
税理士長嶋の相続税対策ブログ2012年2月3日付けにおいて「HSBC香港など海外銀行口座開設ツアーにご注意」にて、HSBC香港の口座開設ツアーは危険であるとご紹介しております。
税理士長嶋が「危険である」という理由は、上記のような口座開設ツアーが危険であるという意味ではなく、もっと他に根本的に問題点があるためです。
本題である根本的な問題点以前のお話として、口座開設ツアーだけでもこれほど違和感があります。

最近の日本における投資の世界では「自己責任」という言葉が独り歩きしているように感じます。
「自己責任」の大前提として、情報の出し手(銀行や証券会社、口座開設ツアーの業者さん)が正しい情報を提示していることが求められると思います。
ただ、情報の出し手の誰を信用するかということも「自己責任」であるということも言えますが・・・

インターネットで検索すれば、たくさんの情報が入手できる世の中になりました。
そのたくさんの情報の中には、正しい情報と正しくない情報が混在しています。
この中から、みなさまはご自身にとって正しい情報を取捨選択することができるでしょうか。

もし、みなさまが信用した人間が間違った情報を持っていたり間違った情報を発信していたとしたら、それを信じて行動したみなさまの結果も当然に間違ったものになります。

・どこに正しい情報があるのか
・誰を信用するのか
を判断することがとても重要になるのではないでしょうか。

 

【相続税対策参考ブログ】
・スイス銀行(プライベートバンク)口座開設

・海外銀行口座開設ツアーにだまされHSBC香港に口座開設(2012/07/11)

・スイス銀行口座開設、バンカーの助言でトラブルに巻き込まれる(2012/04/30)

・HSBCはやはり日本から撤退したかった(2012/02/23)

・スイス銀行口座開設、日本人プライベートバンカーに注意(2012/01/29)

・HSBCを買収してもクレディスイスに期待できることは何もない(2012/01/17)

・プライベートバンク口座開設セミナー・視察ツアーにご注意(2012/01/08)

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