相続税対策ブログ
海外銀行口座開設ツアーにだまされHSBC香港に口座開設
先日、相続税対策のご相談があったお客様にお会いしてきました。
お客様は相続税対策という問題を抱えておられ、ご自身の資産を家族や子供、そして孫の世代に引き継いでいくことがとても重要であると考えておられました。
お客様ご自身の希望を実現するためには、プライベートバンクに口座を開設するのが良いと判断され、海外銀行の口座開設ツアーを開催している業者に相談されたそうです。
お客様のお話を伺うと、とても不思議なことになっていました。
なぜ、このような結果になったのか、税理士長嶋はとても不思議でなりません。
【口座開設したのはプライベートバンクではなかった】
お客様のお話を詳しく伺うと、口座開設されたのはプライベートバンクではなく、HSBC香港のプレミア口座でした。
HSBCは、商業銀行部門(プレミア口座)とプライベートバンキング部門を明確に区別しています。
お客様が口座を開かれたのは、商業銀行部門のプレミア口座。
簡単に言えば、日本の三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行に口座を開いたのと同じことです。
預入金額は多いため、HSBCの窓口に並ばなくてもよい程度に区別された扱いは受けるでしょうが、プレミア口座だからといって、それ以上でもなければそれ以下でもありません。
なぜ、お客様はHSBC香港に口座を開くことになったのでしょうか。
お客様がプライベートバンクを希望されているのであれば、HSBCのプライベートバンキング部門である「HSBC Private Bank」に口座を開くのが筋ではないでしょうか。
【お客様自身が情報や知識を身につけるべき】
日本のHSBCでさえ、商業銀行部門(プレミア口座)とプライベートバンキング部門は明確に区別されていました。
日本のHSBCプライベートバンキング部門は、日本のクレディスイスに買収されることが2011年12月に報道されました。
こちらについては、税理士長嶋の相続税対策ブログ2012年1月17日付けにおいて「HSBCを買収してもクレディスイスに期待できることは何もない」にてご紹介しております。
また、2012年2月にはHSBCは日本からプレミア事業そのものを撤退させることを発表しました。
こちらについては、税理士長嶋の相続税対策ブログ2012年2月23日付けにおいて「HSBCはやはり日本から撤退したかった」にてご紹介しております。
このように、インターネットで少し調べれば多少の情報を手に入れることができます。
お客様ご自身が何かをされる場合、お客様自身がそれなりの情報や知識がないと業者から提案されたことが本当にご自身にとって正しいことなのかどうかの判断ができないのではないでしょうか。
【誰が何を意図して情報を発信しているのか理解する】
海外銀行の口座開設ツアーを開催している業者が、すべて正しいことを言っているとは限りません。
彼らは、お客様に銀行口座を開設してもらわなければ利益になりません。
誰が何を意図して情報を発信しているのか、十分に理解する必要があると思います。
こちらについては、税理士長嶋の相続税対策ブログ2012年2月3日付けにおいて「HSBC香港など海外銀行口座開設ツアーにご注意」にてご紹介しております。
【相続税対策参考ブログ】
・スイス銀行(プライベートバンク)口座開設
・海外銀行の共同名義口座が相続税対策になるはずがない(2014/03/29)
・HSBC香港口座開設ツアー参加費用、夫婦で50万円!?(2012/07/14)
・スイス銀行口座開設、バンカーの助言でトラブルに巻き込まれる(2012/04/30)
・スイス銀行口座開設、日本人プライベートバンカーに注意(2012/01/29)
・プライベートバンク口座開設セミナー・視察ツアーにご注意(2012/01/08)
