クレディスイスは、HSBC(香港上海銀行)から日本のプライベートバンキング部門を買収すると発表しました。
(日本経済新聞:2011年12月21日)
日本の富裕層向け金融事業をHSBCから買収 クレディ・スイス
スイス金融大手のクレディ・スイスは21日、英金融大手のHSBCから日本の富裕層向け金融サービス(プライベート・バンキング=PB)事業を買収すると発表した。
27億ドル(約2100億円)の総資産と従業員約60人を引き継ぐ。
買収額は非公表。
金融当局の承認を得て2012年6月末までの買収完了を見込む。
買収するのはHSBCが金融資産2億円以上の顧客向けに展開する事業。
金融資産1000万円以上と、より顧客の裾野を広げてサービスを提供する「HSBCプレミア」は対象に含まない。
クレディ・スイスはHSBCが大阪市と名古屋市に構えるPB拠点も引き継ぎ、未進出だった両地域に足場を築く。
日本のPB部門の従業員数は約140人と従来比75%増える。
顧客の国際分散投資やオーナー企業の事業承継の支援といったサービスを提供し、世界有数の富裕層を抱える日本で事業拡大をめざす。
HSBCは収益環境の悪化に伴い、米国のクレジットカード事業を売却するなど世界的に事業の見直しを進めている。
日本でのPB事業売却もその一環となる。
【HSBCを買収してもクレディスイスに期待できることは何もない】
クレディスイスは、スイスにおける代表的な都市銀行です。
HSBC(香港上海銀行)は、イギリスの代表的な商業銀行であり、日本においてプライベートバンキング部門を保有しています。
このたびの報道では、日本のHSBC(香港上海銀行)のプライベートバンキング部門がクレディスイスに買収されることで、銀行の国籍がイギリスからスイスに変わります。
クレディスイスはスイスの銀行であるため
「スイス特有のサービスを受けられるのではないか」という期待がHSBC(香港上海銀行)に口座を開いている方にあると思います。
確かに、HSBC(香港上海銀行)からクレディスイスに変わることで、
投資商品の選択肢は多少広がると思います。
しかし、
クレディスイスに期待できることはこれ以上でもなければこれ以下でもないでしょう。
【HSBC(香港上海銀行)は本当は日本から撤退したいはず】
HSBC(香港上海銀行)は、日本のプライベートバンキング部門を手放すことで、日本での営業基盤は商業銀行部門のみとなりました。
HSBC(香港上海銀行)のプレミア口座は1000万円以上の預入が必要ではありますが、店舗が少ないため採算を取れるかといえば相当厳しいことです。
それにもかかわらず、なぜプレミア口座を扱う商業銀行部門だけを残して営業を続けることになったのでしょうか。
また、HSBC(香港上海銀行)は
日本市場のリスクを感じているのではないかと考えられます。
日本市場のリスクとは、何を意味するのでしょうか。
HSBC(香港上海銀行)は日本市場から撤退したいのが本音だけれども、プライベートバンキング部門を手放し事業縮小の道しか選べなかったというのが現実だと思います。
【相続税対策参考ブログ】
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