スイスのUBSが超富裕層向けのサービスを強化するためにチームを結成したそうです。
税理士長嶋の感想は、チームを結成したところでそれ以上でもなければそれ以下でもない。
つまり、主に仕組み債を販売する金融機関であるという状況は今と何一つ変わらないでしょう。
(日本経済新聞:2014年3月31日)
UBS、日本で超富裕層向けチーム 金融資産50億円以上
スイスの金融大手UBSは日本で超富裕層向けチームをつくった。
保有する金融資産が50億円以上の人を対象に資産運用の提案や、各種のサービスを手掛ける。
超富裕層はウルトラハイネットワースと呼ばれ、日本に2000世帯程度とされる。
富裕層金融のなかでも高い成長を遂げる分野に的を絞って営業を展開する。
超富裕層は事業オーナーなどが多い。
個人の資産運用のほかM&A(合併・買収)や事業承継、慈善事業など関心の幅…
【UBSは本当に日本人の超富裕層に向けてサービスを提供することができるのか?】
UBSがこのチームで提供するサービスは次のようなことのようです。
(1)顧客の関心に応じて、個人・法人双方のサービスを提供する
(2)外国企業との提携を仲介
(3)法人の資金調達支援
(4)スイス・香港・シンガポールにおける超富裕層向けサービスのノウハウを日本人にも提供する
UBSが今頃になってこのようなチームを結成する目的がよくわかりません。
わざわざこのようなチームを結成するということは、裏を返せば次のことが言えるのではないでしょうか。
(1)金融資産50億円以上の顧客が少ない(いない)
(2)これまで、スイス・香港・シンガポールにおける超富裕層向けのサービスを日本人に提供してこなかった(できなかった)
税理士長嶋の私見として、少なくとも3つの理由により、UBSのこの超富裕層向けチームは失敗に終わると考えています。
【UBSやクレディスイスをプライベートバンクだと考えているのは日本人だけ】
日本のUBSに銀行口座を開設するには金融資産が2億円以上必要であるとされています。
UBSは顧客開拓の方法の一つとして、ダイレクトメール(DM)を送っています。
税理士長嶋のお客様の中にもDMを受け取られる方がおられるため、お客様からDMを見せられ質問をいただくこともあります。
ここで税理士長嶋は次のようにお答えするようにしています。
「UBSやクレディスイスをプライベートバンクだと考えているのは日本人だけですよ。」
そもそも、プライベートバンクの存在意義からすれば、DMで勧誘をすることは考えられません。
つまり、自らがプライベートバンクではないと言っているのと同じであることは、冷静に考えてみればわかることだと思います。
【相続税対策参考ブログ】
・スイス銀行(プライベートバンク)口座開設
・日本のプライベートバンキングは証券会社と同じ(2013/10/30)
・スイスプライベートバンク口座開設、詐欺にご注意(2013/08/12)
・日本のプライベートバンクのメリットは応接室に通されること(2012/12/30)
・相続税対策と称して脱税指南をするクレディスイス(2012/12/14)
・UBSがプライベートバンキング事業を拡大することは無理だろう(2012/03/02)
・HSBCを買収してもクレディスイスに期待できることは何もない(2012/01/17)