相続税対策ブログ
自社株の相続税対策、相続税専門の税理士では対策できない
先日、相続税対策のご相談があったお客様にお会いしてきました。
お客様は会社経営をされており、自社株の相続税対策についてお困りでした。
詳しいお話を伺うと、相続税専門の税理士に相談したがお客様が納得される提案がなかったとのことで税理士長嶋に連絡をくださいました。
【相続税専門の税理士から提案された自社株の相続税対策】
税理士長嶋は、お客様に次の質問をしてみました。
「相続税専門の税理士さんからどのような提案があったのですか?」
相続税専門の税理士さんからは次のような提案があったそうです。
(1)賃貸マンションを購入しましょう
(2)役員退職金を出しましょう
(3)生命保険に加入して損金を作りましょう
(4)持株会社を設立して自社株を買い取りましょう、買い取り資金は銀行を紹介するので融資を受けましょう
これらの方法は、相続税の節税本に書かれている一般的な自社株対策の方法です。
確かに教科書的な相続税対策とは間違っていません。
しかしながら、このような相続税対策はお客様の価値観に合わないものばかりでしたのでお客様が納得するはずがありませんでした。
お客様の価値観とは何だったのでしょうか?
【相続税専門の税理士さんの提案はお客様の価値観に合わなかった】
税理士長嶋はお客様に次の質問をしてみました。
「社長は今後、この会社をどのようにしていきたいですか?」
すると、お客様は次のことを話し始めました。
「家族を守るため、また従業員を守るために会社の成長が最も重要であると考えている」
この言葉から、お客様がなぜ相続税専門の税理士さんの提案に納得されなかったのか、を税理士長嶋は十分に理解することができました。
それは、相続税専門の税理士さんが提案されたことは、すべてキャッシュ(現金)が会社の外に出ていく対策ばかりだったのです。
ましてや、経済が不安定なご時世ですので、会社の継続という視点からはなおさらキャッシュを会社の中に残しておくべきでしょう。
キャッシュが会社の外に出ていくということ、それは会社の財務体力が低下することを意味します。
つまり、会社の財務体力が低下すれば「会社の価値が下がる=自社株の価値も下がる」という理屈です。
会社の価値を下げれば自社株の価値が下がるのは当たり前の話。
理屈では確かに相続税対策になるのでしょうが、会社の成長を重視するお客様にとってはキャッシュが会社から出ていく相続税対策は本末転倒なのです。
【相続税専門の税理士では自社株対策はできない】
税理士長嶋はお客様に次のようなことを質問して、お客様の価値観を理解するように努めました。
・会社を今後どのように成長させたいのか
・従業員をどのように守りたいのか
・ファミリーをどのように守っていきたいのか
・ファミリーを今後どのようにしていきたいのか
税理士長嶋はお客様との面談はいつもこのようなやり方をしているため、いつも長時間になります。
この日はお客様と初めてお会いしましたが、面談時間は4時間を超えました。
お客様の価値観を踏まえて、例えばこのようなこともできますよ、と税理士長嶋はお客様にお話しました。
すると、お客様は次のようなことをおっしゃいました。
・今までいろんな税理士さんに相談してきたが、長嶋さんが話されたことは初めて聞いた。
・今まで相談した税理士の中には相続税専門の税理士もいたが、節税本に書いてある対策しか提案されたことがなくガッカリしていた。
・長嶋さんが話されたことが本当に実現できれば最高だよ。
お客様がご希望されていることを実現できるように、具体的に対策を検討していきたいと思っています。
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