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2015/09/23
相続税対策の不都合な真実を語らない銀行・不動産業者

先日、相続税対策のご相談があったお客様にお会いしてきました。

お客様は複数の賃貸マンションと駐車場を所有されており、相続税対策を検討されていました。
最も大きな悩みの種は800坪ほどあるご自宅で、ご自宅の相続税評価額が高すぎるということでした。

お客様には顧問の税理士さんがおられますが相続税に詳しくないようで、相続税対策を相談してもなかなか回答が返ってこないとのことでした。
そこで、お客様はご自宅の相続税対策について銀行と不動産業者に相談され、相続税に詳しい税理士の紹介を受けたそうです。
ところが、どの税理士からも「自宅を壊して賃貸マンションを建てるしかない」と言われたそうです。

自宅を壊して多額の借金を背負うことに抵抗があったお客様は、賃貸マンションを建てる以外の相続税対策を探しておられました。
そんなとき、税理士長嶋のホームページをご覧になりご連絡をいただきました。

 

 

【自宅の相続税対策は賃貸マンションを建設するしかないのか?】
お客様から詳しいお話を伺うと次のようなことでした。
(1)自宅の相続税評価額が高すぎるために、自宅の相続税対策に悩んでいる
(2)小規模宅地の特例を使ったとしても約100坪分の評価減しかないため、焼け石に水である
(3)自宅の相続税対策を銀行・不動産業者に相談したところ、相続税に詳しい税理士を紹介された
(4)相続税に詳しい税理士からは「自宅を壊して賃貸マンションを建てるしかない」と言われた
(5)不動産業者の賃貸マンション建設計画では、自宅の相続税評価額の2倍程度の借金をすることになっている
(例えば、自宅の相続税評価額が5億円であれば、10億円の借金をしてマンションを建設する計画になっている。)
(6)200年以上の歴史ある自宅を自分(お客様)の代で壊してしまうのは、ご先祖様に申し訳ない気持ちがある
(7)多額の借金を子供・孫世代に残すことが本当に良いことなのか疑問がある

 

なぜ、銀行・不動産業者から紹介された税理士が自宅を壊して借金をして賃貸マンションの建設を勧めたのか?
税理士長嶋は次の2つの疑問を持ちました。
(a)賃貸マンションを不動産投資として見た場合に、利回りがそれほど魅力的ではない
(b)自宅の土地の相続税評価額を下げる方法は他にある

 

(a)賃貸マンションを不動産投資として見た場合に、利回りがそれほど魅力的ではない
お客様のご自宅の土地は800坪ほどありますので、敷地内にはいくつかの「蔵」がありました。
自宅と蔵を取り壊し、庭園やクスノキなどの樹木を整地するとなると、5000万円から1億円程度の諸費用がかかります。
この取り壊し費用も銀行から借り入れるという計画になっていました。

この自宅の取り壊し費用は何の利益も生まないマイナスの投資、そして計画されている総借入額の1割ほどを占めていましたので、これに対しても借入金利息を支払っていては投資利回りは低下してしまいます。

 

(b)自宅の土地の相続税評価額を下げる方法は他にある
お客様は複数の銀行・不動産業者から相続税に詳しい税理士の紹介を受けたそうですが、なぜ彼らは「広大地」の話をしないのでしょうか。
自宅であっても、要件を満たせば「広大地」の適用は可能で、小規模宅地との併用も可能です。

お客様に広大地のことについて質問をしてみると、次のようにお答えされました。
「銀行・不動産業者から紹介された相続税に詳しい税理士さんからは、広大地という言葉は出てきませんでした。」

 

 

【銀行・不動産業者は不都合な真実を決して語らない】
銀行・不動産業者から紹介された相続税に詳しい税理士から広大地という言葉は出てこなかったことについて、税理士長嶋は何も驚きませんでした。
むしろ当然のことと受け止めました。

なぜなら、広大地が適用されれば、自宅の相続税評価額は4割引からスタートします。
お客様のご自宅に広大地が適用されるとすれば、相続税評価額は半値以下になることは明らかでした。
この半値以下の相続税評価額から、さらに小規模宅地も受けられます。

銀行・不動産業者がこのような「不都合な真実」を正直に語ってしまうと、誰も借金をしてまで賃貸マンションを建設しようとは思わないでしょう。
借入をしてくれない・賃貸マンションを建ててくれない、つまり銀行・不動産業者の仕事にならないわけです。

銀行・不動産業者から紹介された相続税に詳しい税理士もまた彼らの顔に泥を塗るようなことはしないため「不都合な真実」を語るはずがありません。

 

 

【賃貸マンションを建設することで相続税が増えてしまう可能性がある】
お客様のように広大地が適用されそうな土地に賃貸マンションを建設した場合、次のようなデメリットがあります。
・広大地の適用を受けられなくなる可能性がある
・小規模宅地の評価減を適用できる範囲が縮小される

賃貸マンションを建設することで、むしろ相続税が増えてしまう結果になります。

物事には必ず表と裏があるはずで、相続税対策を検討する際にもメリットとデメリットがあります。
銀行や不動産業者、そして彼らから紹介される税理士は自分たちにとって都合のよい話は積極的にしますが、不都合な真実は決して語ろうとはしません。
あまりにもアンフェアなのではないでしょうか。

 

 

【相続税対策参考ブログ】
・相続税対策に不動産の有効活用は、本当に効果があったのか?

・相続税対策と称して建築業者から紹介手数料を受け取る銀行(2017/04/25)

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・相続税対策と称して認知症患者に借金をさせた銀行(2015/12/30)

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・相続税対策と称して銀行にいいようにやられた(2014/02/28)

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不動産の相続税対策にこんな不満をお持ちではありませんか?