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2013/11/22
相続税対策を手段ではなく目的にすると失敗する

先日、相続税対策のご相談があったお客様にお会いしてきました。
お客様は相続税対策をご希望されていましたが、ご家族の中で考えがまとまっていなかったため、相続税対策について再考することをお勧めしました。
相続税対策が手段ではなく目的になってしまった事例で、大きな借金を抱える前に止めることができたことは幸運でした。

 

【相続税対策の前に先祖代々の土地を誰が引き継ぎ守っていくのか?】
お会いをしてお話を伺ったのはお父様とご長男で、とにかく相続税を払いたくないということが痛いほど伝わってきました。
家族の中で「相続税を払いたくない」という希望は一致していました。

そこで、税理士長嶋から次の質問をしました。
「不動産はご家族のどなたが引き継いでいくのでしょうか」

この質問により、お父様とご長男の意見が分かれていることがわかり、次のようにお考えでした。

(お父様)
・相続税が理由で、先祖代々の土地を手放すわけにはいかない
・相続税を節税するために、これまで手持ちの現金の大半を不動産に替えてきた
・最後の相続税対策として、借金をして賃貸アパートを建築する計画をしており、実際に提案を受けている

(ご長男)
・仕事の関係で海外赴任することが決まっており、当分の間日本に戻らない
・子供(お父様から見ると孫)には海外の教育を受けさせたいと考えている
・先祖代々の土地を守るという父の愛着も理解できるが、賃貸アパートの管理は誰がしていくのか
・もし、賃貸アパートの空室が多くなり、家賃収入で借金を返済できなくなった場合、どうするのか
・大きな借金を抱えてまで、相続税を節税する必要があるのか
・不動産は投資対象としての魅力に欠けるため、一層のこと不動産を現金化して、それを海外で運用したほうが効率的だと思う

このように、相続税対策を検討する以前の問題として、家族の財産を誰が引き継いで守っていくのかが決まっていませんでした。
お父様のお気持ちもよくわかりますし、ご長男のお気持ちもよくわかります。
家族としての考え方・価値観を共有することは簡単なことではありません、むしろ時間をかけるべきだと思います。

 

【相続税対策はあくまでも手段であり目的にはなりえない】
先祖代々の土地を守っていくのか、あるいは手放すのか。
ご家族の方針により、その後の相続税対策の方向性が異なってきます。
つまり、相続税対策は手段であり目的にはなりえません。

大きな借金を抱える前に、相続税対策の計画を止められたことは幸運でした。

 

【相続税対策参考ブログ】
・相続税対策に不動産の有効活用は、本当に効果があったのか?

・銀行の手先になっている相続税専門税理士にご注意(2014/07/31)

・相続税対策に生命保険を活用することは目的ではなく手段(2014/06/06)

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