相続税対策専門の税理士が運営する
東京都渋谷区のコンサルティング会社です。

会社案内
代表者プロフィール
メディア出演・制作協力
不動産はご先祖からの預り物
不動産は時代遅れの対策
自社株対策の限界
自社株対策が簡単ではない理由
自社株の株価を引き下げる
自社株の株数を減らす
相続税の納税資金を確保する
医療法人対策の限界
海外移住は幼稚な節税対策
プライベートバンクの世界へ
養子縁組を利用した相続税対策はうまくいくのか?
高額所得者のための 所得税の節税
相続税対策ブログ
相続税対策ブログ

相続税対策ブログ

2013/12/02
国際相続を安易に専門家に依頼すると失敗する

先日、相続税対策のご相談があったお客様にお会いしてきました。

お客様は仕事の関係で海外生活が長く、日本に戻るのは年に数回程度だそうです。
お客様は現地の方と結婚され、子供さんには現地の生活をさせてあげたいとの希望から日本での教育を望んでいませんでした。
ご家庭の事情により日本に金融資産や不動産を残しておく必要があり、将来の相続が心配とのことでした。

年に数回しか戻らない日本での貴重な時間をいただき、お会いすることになりました。

 

【日本での相続手続きと日本の相続税が心配】
お客様が心配されていたことは、日本での相続手続きと日本の相続税で、具体的には次のようなことでした。

(日本での相続手続きについて)
・妻は現地の母国語と英語はできるが、日本語はほとんどわからない
・もし私に相続があったときには、妻が日本で預貯金や不動産の名義変更といった相続手続きをしなければならない
・言葉の壁があり、妻が日本で相続手続きを行うことは無理だろう
・私が元気なうちに、残される妻・子供のためにできることを今から準備しておきたい

(日本の相続税について)
・私の妻・子供は、日本の相続税法でいう非居住者である
・非居住者であっても、日本にある財産を相続したときは日本の相続税がかかる
・日本での相続税の申告手続きが必要になるため、信頼できる税理士を探したい

(日本に残しておく預貯金の扱い)
・日本に残してある預貯金の一部を生活費に充てるため、定期的に海外送金をしている
・今は私が海外送金の手続きをしているので問題ないが、私に相続があったときは海外送金をどのようにすればよいか
・言葉の壁があるため、妻や子供が海外送金することは難しいだろう

 

【日本の税法を知っているだけではお客様の不安は消えない】
お客様のご相談は、一般的に「国際相続」と言われる分野になろうかと思います。
お客様が生活されている国における法律関係は、現地の弁護士などに相談されるということでした。

ご相談はあくまでも、日本国内の相続手続き・相続税の申告手続きで、お客様もそのおつもりでした。
単純に、預貯金・不動産の名義変更、相続税の申告ができれば良いというお考えでした。

ここで税理士長嶋からお客様へ次の質問をしました。
「日本にある預貯金は、今後どうされたいとお考えでしょうか」

税理士長嶋から預貯金について、考えられる問題点をいくつかお話させていただきました。
すると、日本での相続手続きや相続税の申告手続きよりも、預貯金について抱えているある大きな問題点をしっかり検討しておかないと大変なことになることをお客様が理解されるのに多くの時間は必要ありませんでした。
お客様にとっても予想外のことだったようで、次のお言葉をいただきました。

「私が長嶋さんに相談したいと思ったのは、日本の税法以外のこともよくご存じであるという期待からでした」

お客様は、日本の税法・相続手続きを知っているだけでは解決できない問題点を抱えておられました。
この問題点について、お客様は気づいていませんでした。
お客様が気づいていない問題点を事前にお示しできたことは大変良かったと思います。

この問題点を知らずに普通に日本で相続手続きをしてしまったら、後々トラブルになることは間違いありません。
日本には相続に関する専門家と言われる人がたくさんいますが、このような専門家でもお客様が抱えている問題点に気づく人は少数でしょう。
その理由は、日本と海外の金融の世界を知っている人間であるからこそ、それが問題点であると指摘することができるためです。

 

【相続税対策参考ブログ】
・相続税対策と海外事業展開に国際税務のうんちくは不要(2014/05/07)

・国際的な相続税対策をペーパードライバーに頼めるはずがない(2014/04/13)

・アメリカの信託は日本の相続税対策も考慮すべき(2014/03/22)

・相続税対策を手段ではなく目的にすると失敗する(2013/11/22)