相続税対策ブログ
相続税対策のリスクを、なぜ誰も語ろうとしないのか?
バブル時代に流行した相続税対策は、
・賃貸アパートやマンションの建設
・変額保険の活用
など、相続税の節税だけを目的とした対策に走るものが多かったように見受けられます。
これらの方法は、バブル時代が終わって20年が過ぎた現在でもなお、効果的な相続税対策として「なぜか」信じられています。
このような相続税の節税だけを目的とした相続税対策は、後日トラブルを作り出す原因となっています。
なぜ、相続税対策を行うことのリスクを、誰も語ろうとはしないのでしょうか。
【節税だけを目的にする相続税対策は、非常に危険】
現在、バブル時代にこれらの相続税対策を行った方々に、現実に相続が起こっています。
そして、次のようなトラブルを多くの方が抱えています。
(1)バブル時代の当時に減らしたはずの相続税を払うことができない。(現金がない)
(2)賃貸マンションなど遺産分割が難しい財産を作ったため、遺産相続の問題が新たに生まれた。
ところが、バブル時代が終わって20年が過ぎた現在でもなお、バブル時代に失敗したこれらの相続税対策が効果的であると「なぜか」信じられています。
・相続税対策を行うことのリスク
・バブル時代に失敗したことの検証
など、誰の口からも何一つ語られていないにもかかわらずです。
【相続税対策はダイエットに似ている】
相続税対策は、ダイエットに似ています。
ダイエットの目的は、体脂肪や贅肉を落とすことで、体重を減らすことにあります。
間違ったダイエットを行えば、必要な筋肉まで落としてしまうことになります。
その結果、体力が落ち、最悪の場合、拒食症になる危険性もあります。
相続税対策も同じことが言えます。
相続税を節税することだけを考えていると、本来必要な財産の資産価値そのもの(時価)を失ってしまう事例が多いのが現実です。
【相続税逃れの相続税対策は意味がない】
平成22年度に税制改正が行われた「個人年金保険」ですが、改正前は相続税対策に非常に有効な方法として知られていました。
そのため、その当時の税制改正の経緯が驚くものとなったことは記憶に新しいところです。
(税理士事務所参考ブログ|2010年4月2日)
・【相続税法改正】個人年金保険、平成22年度税制改正大綱を変更して法案成立
単に相続税を逃れるためだけの相続税対策は、相続税法が改正されますと、当初見込まれた節税効果は期待できなくなります。
むしろ、相続税の節税効果が見込まれなくなれば、後日それを修正することが難しくなるため、結果的に「何もしないほうが良かった」ということになりかねません。
なぜなら、相続税対策として何もしなければ失敗することもないためです。
【相続税対策で資産の価値(時価)を下げては意味がない】
これまで日本で常識とされてきた相続税対策は、相続税評価額を下げることだけを考えてきました。
例えば、賃貸アパートやマンションを建設することで、
(1)土地の相続税評価額が2割程度下げられる
(2)建物の相続税評価額を3割程度下げられる
(3)借金をすれば、相続財産からマイナスする
ことができるというものでした。
ところが、この相続税対策は、相続税評価額を下げる以上に、相続する財産の価値そのもの(時価)を下げる結果になることはあまり知られていません。
財産の価値そのもの(時価)を傷つけてしまう相続税対策を、本当に実行する意味があるのでしょうか。
【相続税対策参考ブログ】
・相続税対策に物納の準備をしてはいけない(2011/08/16)
・相続税対策に借金をしてはいけない(2011/8/1)
・相続税対策にアパート経営は危険(2011/07/25)
・相続税対策による賃貸アパート・マンションの空室問題(2011/6/13)
