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2012/11/26
相続税の税務調査の状況:平成23事務年度(国税庁)

このほど、国税庁より平成23事務年度(平成23年7月から平成24年6月までの間)に実施した相続税の税務調査の状況が公表されました。
平成23事務年度における相続税の調査の状況について(国税庁)

これまで、相続税の税務調査の結果が公表されていましたが、本年より贈与税の税務調査の結果も公表されることになりました。
相続税の税務調査と贈与税の税務調査について、簡単にポイントをご紹介し、具体的にどのような税務調査が行われたのかをご紹介します。
(参考:平成24年11月19日、週刊税務通信)

 

 

【相続税の税務調査のポイント】
相続税の税務調査については、平成21年中及び平成22年中に発生した相続を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報を基に、申告額が過少であると想定されるものや、申告義務があるにもかかわらず無申告となっていることが想定されるものなどに対して実施されました。

特に、海外資産に関する相続税の税務調査は、次の4つに注目をして行いました。
(1)海外に財産を所有している
(2)相続人、被相続人のいずれかが海外に住んでいる
(3)海外財産に関する資料がある
(4)海外の金融機関と取引がある

 

 

【贈与税の税務調査のポイント】
国税庁は、平成22事務年度から生前贈与の調査にも積極的に取り組み始めたことから、贈与税の税務調査の状況を初めて公表しました。
贈与税の税務調査の件数は5671件、申告漏れ件数は5331件となり、申告漏れが指摘されたのは約9割となりました。
申告漏れが指摘されたうち約8割は、贈与税の申告をしていませんでした。

贈与税の税務調査を積極的に始めた平成22事務年度から、大幅に件数が増加していることがわかります。

 

 

【相続税の税務調査の事例】
(1)海外の不動産・預貯金を相続税の申告から除外
被相続人(A)は、国外送金等調書により生前に外国の税務当局から外国税の還付金を受け取っていた事実があったことから、Aが海外に不動産などを所有していることが想定された。
ところが、提出された相続税の申告書に海外の不動産などが記載されていなかったため、相続税の税務調査を行った。

相続税の税務調査の結果、相続人Bが海外の不動産を相続していたが、他の相続人に知られないように相続税の申告から除外していた。
さらに、海外の金融機関に開設されていた預金口座(AとBの共同名義)も相続税の申告から除外していたことが判明した。

申告漏れ相続税の課税価格約8000万円、追徴税額約2800万円。

 

(2)現金や預金を隠し、相続税の申告をしなかった
被相続人Cは多額の蓄財が想定されていたが、相続税の申告がなかったため、相続税の税務調査を行った。
相続税の税務調査の結果、相続人Dが相続財産を減らすため、Cの生前からCの指示で、Cの預金を家族名義の預金にしていた。
また、現金を自宅の物置に隠しており、この現金と家族名義の預金を合計すれば相続財産の合計額は相続税の基礎控除を超えていることを知っていながら、相続税の申告をしなかった。

申告漏れ相続税の課税価格約1億4500万円、追徴税額約1100万円。

 

(3)金地金を隠し、相続税の申告から除外
被相続人Eは所得税の確定申告の状況などから、相続税の申告漏れが想定されたため、相続税の税務調査を行った。

相続税の税務調査の結果、相続人FらはEの預金で購入した金地金約50キログラムを自宅倉庫の床下に隠し、相続税の申告から除外していた。
また、相続財産を減らすため、Eの預金口座から現金を引き出し、生活費として使っていたことが判明した。

申告漏れ相続税の課税価格約4億1700万円、追徴税額約2億9500万円。

 

(4)預貯金・割引債を隠し、相続税の申告から除外
被相続人Gは各種資料から多額の蓄財が想定されたが、相続税の申告書に記載された財産が想定よりも少ない金額であったため、相続税の税務調査を行った。

相続税の税務調査の結果、相続開始後、相続人Hが相続財産を現金化し、その一部を相続財産の割引債とともに、Hの自宅に隠していた。
また、その残りを他の相続人に渡して相続税の申告から除外していた。
他の相続人は、その受け取った現金が相続税の申告から除外されていることを認識していた。

申告漏れ相続税の課税価格約5億3600万円、追徴税額約2億1100万円。

 

 

【贈与税の税務調査の事例】
(5)学生である子供に生活費や給与として送金したが、贈与税の申告をしていなかった
父Lは、海外に留学している子供Kに対して、学費や生活費として多額の海外送金をしていることが国外送金等調書により判明したため、贈与税の税務調査を行った。

贈与税の税務調査の結果、KがLから学費や生活費として多額の贈与を受けており、金融資産の購入にも充てていたが、贈与税の申告をしていなかった。
また、Lは日本国内のK名義の預金口座に給与名目で多額の送金をしていたが、KはLからの贈与であることを認識していたが、贈与税の申告をしていなかった。

申告漏れ贈与税の課税価格約4700万円、追徴税額約2300万円。

 

 

【相続税対策参考ブログ】
・相続税税務調査対策ガイド

・相続税税務調査、海外資産の調査件数過去最高に(2015/11/30)

・相続税税務調査、海外財産の申告漏れが増加(2014/11/25)

・相続税税務調査の状況が国税庁より公表:平成24事務年度(2013/12/03)

・相続税の税務調査の状況について、平成22事務年度(2011/12/11)

 

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