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2017/12/06
一般社団法人節税スキームの税制改正、銀行税理士の責任問題へ

究極の相続税対策として流行していた「一般社団法人」を利用する節税スキーム。
制度を悪用して節税しているケースが横行しているとして、2018年度税制改正において一般社団法人の節税スキームが封じられることになるようです。
税制改正の可能性の速報として、2017年11月21日付の相続税対策ブログ「一般社団法人を利用した節税スキームに警鐘、課税上問題あり」にてご紹介しておりましたが、この速報ブログ直後の税制改正の報道となりました。

一般社団法人の節税スキームを実行された方や一般的な税理士の感覚からすると、このタイミングでの税制改正は早すぎるという印象でしょう。
一般社団法人を利用した節税スキームの危険性を誰よりも早く2014年から指摘していた税理士長嶋は何も驚きません。

一般社団法人を利用した節税スキームの危険性について指摘したブログを参考までに2つご紹介します。
・一般社団法人を活用した相続税対策は効果があるのか?(2014/06/01)

・自社株の相続税対策に一般社団法人を活用する危険性(2016/01/17)

税制改正は早期にあると税理士長嶋は予測していましたので、このタイミングでの税制改正は妥当であると考えています。

国税がなぜ早期に一般社団法人を利用した節税スキームに蓋をするのか?
この理由が理解できない方、あるいは早期に税制改正があることを予測できなかった方は、ご自身が雇われた顧問税理士は「先見の明に欠ける」と言わざるを得ないでしょう。

一般社団法人を利用した節税スキームを富裕層に対して積極的に勧誘してきたのは、銀行・税理士・コンサルと称する人物ですが、税制が改正されると日本全国で銀行・税理士を相手に訴訟が多発することが予測されます。
浅はかすぎる節税スキームを提案してきた銀行・税理士は顧客に対して責任を取ることができるのでしょうか?
元々無資格者であるコンサルと称する人物たちが、このスキームを実行した顧客の前から消えてしまうのではないか?と心配します。

 

(日本経済新聞:2017年11月30日)
相続節税、抜け道封じ 社団経由で資産承継 相続人が自宅を贈与
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO24040830Z21C17A1EA2000/

政府・与党は相続税の過度な節税防止に乗り出す。
一般社団法人を設立して相続税の課税を逃れたり、住宅を贈与して宅地にかかる相続税を減らしたりする節税策が広がっており、2018年度税制改正で具体的な対策を講じる。
相続税は15年から始まった増税で課税対象となる人が増えており、節税策を封じて課税の公平性を確保する。

「一般社団法人の問題は放置できない」。
自民党税制調査会の宮沢洋一会長は社団法人を使った節税を問題視する。

社団法人は08年から営利目的でも設立できるようになったが、株式会社と違って相続税はかからない制度となっている。
企業の株式に当たる持ち分が存在しないからだ。
役員の人数や親族の割合に関する定めもなく、比較的容易に設立できる面がある。

この仕組みを悪用して節税に使うケースが増えている。
まず親が代表者となって法人を設立し、資産を移す。
その後に子供を代表に就かせ、法人の支配権を継承すると、資産には相続税がかからない。
この仕組みを使えば、子供ばかりか、孫やその先の代まで、延々と非課税で資産を相続できる。

しかも、法人設立にかかる費用は登記の6万円しかない。
国も設立要件について「公序良俗に反しない限り全ての事業が対象」(法務省)としている。
16年は6075件が設立されており、この5年で1.5倍という急増ぶりだ。
登記だけで簡単に設立できる点が節税策として活用される一因になっている。
政府・与党は親族が代表者を継いだ場合、非課税の対象と見なさず、課税対象とする方向で検討を進める。

 

 

【現状の法制度においても一般社団法人の持ち分に対して課税される可能性はある】
自民党税制調査会は、一般社団法人を利用した節税スキームは「一般社団法人の仕組みを悪用して節税に使うケースが増えている」ことを問題視しました。
現状の法制度において、一般社団法人の持ち分に対して課税される可能性はないのでしょうか。

実は、相続税法基本通達11の2-1に次のような定めがあります。
『相続税法に規定する「財産」とは、金銭に見積ることができる経済的価値のあるすべてのものをいうのであるが、財産には、法律上の根拠を有しないものであっても経済的価値が認められているもの、例えば、営業権のようなものが含まれること。』

一般社団法人は持分がないと定められていますが、この通達において「法律上の根拠がなくても経済的価値があれば相続税法における相続財産に含まれる」とされています。
法律上財産性の根拠を有しない一般社団法人の支配権であっても、経済的価値があると認められるとするならば、相続税が課税されてしまうのです。

家族が設立した資産管理会社の株式と、一般社団法人を家族が支配する際の支配権に、経済的な価値としてどのような違いがあるのでしょうか。
例えば、自身が所有していた不動産を一般社団法人に持たせて、自身や家族が一般社団法人の代表に就いている場合に、財産性がないことを理由にタダで第三者に一般社団法人の代表に就かせるでしょうか。
もし、タダでないならば、それは自身で財産性があると認めているのと同じですから、一般社団法人の支配権が相続税の課税対象になることを自身で認めていることになるのです。

来年度の税制改正において、現状の通達レベルで課税できる可能性を残すのではなく、税法として正式に課税関係を整備しようとする国税の意図が感じ取れます。

 

 

【一般社団法人を利用した節税スキームを勧めた銀行・税理士の責任問題】
税理士長嶋の私見ですが、このタイミングでの税制改正は妥当だと受け止めています。
実際に一般社団法人の節税スキームを実行されたお客様にお話を伺っても「あと10年は税制改正はないから大丈夫」と楽観的なコメントをされている方ばかりでした。
10年という楽観的なコメントをされる理由は、顧問税理士がそのようにコメントしているため、お客様も顧問税理士のコメントを信用しているためです。
顧問税理士の思惑が外れて早期に税制改正される見通しとなったことから、一般社団法人を利用した節税スキームをお客様に勧めた顧問税理士はお客様にどのように説明するのでしょうか・・・

誤解のないように念のため申し上げますが、税制改正が行われるから銀行・税理士に責任があると言っているのではありません。
税理士長嶋は一般社団法人を利用して節税スキームを実行されたお客様に何人もお会いしましたが、税務リスクを抱えていることすら知らされていない方がほとんどです。
特に、銀行から勧誘されたお客様は「相続税対策になる」と言われ、税務リスクの説明を受けずに「銀行が言うことだから」と銀行を信用して一般社団法人の節税スキームを実行してしまっています。
ここに、説明責任が発生し、説明義務を怠っているからこそ「銀行・税理士の責任問題になる」と税理士長嶋は申し上げているのです。

同様の事例として、銀行が会社経営者に対して相続税対策として勧めた「持株会社を利用した自社株対策」について、2016年に国税から否認される事例が相次ぎ訴訟に発展しています。
このケースも、銀行が会社経営者に税理士を紹介して、税理士が実働部隊となって顧客にローンをさせる図式は同じです。
持株会社方式の節税対策が国税から否認されているのに、なぜ銀行や税理士は学習しないのでしょうか?
この事例について、2016年9月5日の相続税対策ブログ「銀行が主導した自社株の相続税対策が国税から否認され訴訟に」にてご紹介しています。

 

 

【銀行はすべての責任を税理士に押し付ける】
賢明な税理士であれば、一般社団法人を利用した節税に税務リスクを抱えていることは誰でも気づきます。
一般社団法人を利用して節税スキームは銀行・税理士が積極的に勧誘してきました。

銀行は節税スキームに直接手を染めず、忠誠を誓った提携先の税理士を顧客に紹介して、税理士を実働部隊として節税スキームを提案し実行します。
銀行は責任だけを税理士に押し付け、ローンなど自分たちの美味しい仕事だけを持っていきます。

無資格者であるコンサルと称する人物は税理士ではありませんので、ある意味税務リスクを説明する権利もなければ義務もありません。
そもそも税理士ではないコンサルは相続税対策のような節税指南そのものが税理士法違反です、すべての責任を顧客の自己責任として押し付けてしまえば終わりです。

ここで貧乏くじを引かされるのは銀行と提携している税理士、お客様の顧問税理士です。
銀行が顧客とトラブルになった際には「顧客に節税スキームを提案し実行させたのは税理士であり、銀行ではない」という理屈で、税理士の足元からハシゴを外しにかかります。
私見ですが、節税スキームの骨組みを作ったのは銀行ですので、銀行にまったく責任がないというのは道理的に通らないでしょう。

顧客が欲しいために銀行と提携している税理士は、銀行に魂を売ってしまい銀行のセールスマンとして丁稚奉公するような人たちですので、自業自得です。
お客様の顧問税理士も、節税スキームの是非を判断できないため、結果的に銀行側の税理士にうまく丸め込まれていますので、これも自業自得なのです。

結局のところ、損をしているのは先見の明に欠ける銀行や税理士を信用したお客様なのです。

 

 

【今後の相続税対策を顧問税理士に相談していいのか?】
賢明な税理士であれば、早期に税制改正があることを予測しており、すぐに税制改正されるような税務リスクが高い節税スキームには手を出しません。
一般社団法人を利用した節税スキームの危険性を2014年から指摘していた税理士長嶋は、税制改正は早期にあると予測していましたので、このタイミングでの税制改正は妥当であると考えています。

では、なぜ国税はこのタイミングで一般社団法人を利用した節税スキームに蓋をするのでしょうか?
税理士長嶋はその答えを持ち合わせておりますが、時期尚早と感じますので、現段階においてはコメントを差し控えます。

一般社団法人の節税スキームに蓋がされることで、一般社団法人を利用した節税スキームを実行された方は相続税対策の再考を迫られることになりますが、今後の相続税対策を引き続き顧問税理士に相談してもいいのでしょうか?
相続税対策とは、本来10年・20年といった長期的な視野に基づいて計画し実行すべきところですが、現在の税法だけを念頭に置いて短期的な視野で物事を考えているようでは、時間軸が異なるためうまくいくはずがないのです。
先見性に欠ける税理士は本来相続税対策を扱ってはいけない人であり、彼らには相続税対策という業務は荷が重すぎるでしょう。

 


【相続税対策参考ブログ】
・マレーシアラブアン島の財団法人は日本の相続税対策になるのか?(2017/08/19)

・公益財団法人を活用した相続税対策にリスクはないのか?(2017/07/10)

・相続税対策に海外財団法人は本当に効果があるのか?(2017/06/01)

・銀行が主導した自社株の相続税対策が国税から否認され訴訟に(2016/09/05)

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